【中学受験算数】相似を得意分野にするための取り組み方とは？

みなさん、こんにちは。
SS-1算数科講師の日野です。

どの大手塾でも、5年生の後半の一つのテーマになっているのが「相似」です。

これまで、平面図形の中でも「角度」「面積」「図形の回転・移動」など様々な分野を扱ってきていますが、最後のボス的な立ち位置にいるのが「相似」です。

入試でも様々な学校で頻出の「相似」の問題を解ける状態にするには、何が必要なのでしょうか。そもそも相似は何が出来たら解けるようになるのでしょうか。

＼相似を得意分野にする／
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私は、まずは図形を発見する「目」を鍛えることだと思っています。算数で「目」を鍛える？どういうことか、ご説明します。

例えば、下の図をご覧ください。
（四角形ABEDは平行四辺形で、FGとAEは平行、FDとGHも平行）

相似の問題では、まずは「与えられた図の中から以下のような図形を適切に見つけることができるかどうか」が、その問題を解けるかどうかの境目になります。

上記の図の中から、ピラミッド型、砂時計型、区切り面積型、それぞれの図形を何個見つけることができますか（それぞれ複数個あるので、ご自身でも見つけてみてください）。これが、「目」が鍛えられていない段階の生徒だと「え、本当にこの図の中にあるの？」となります。

この状態では相似の問題は解けません。なぜなら、相似の問題は上記のような3つの図形を、与えられた図の中から見つけることがきっかけで問題が解けるようになるからです。

本当かどうか、実際の問題で見てみましょう。以下のような問題があったとします。

下の図は1辺10cmの正方形を3つ組み合わせ、
その中に2本の直線を引いたものです。

（１）FLの長さは何㎝ですか。
（２）IJの長さは何㎝ですか。

この解説は以下の通りです。

ちなみに、今後（１）や（２）のように、「直線の長さ」を求める問題で相似は良く使用されますので、それはそれで覚えておきたいところです。

（１）
下の図の赤い砂時計型に注目すると、相似比は２：１
です。よって、FL：LE＝②：①となり、③＝１０㎝となる。
よって、FL＝②＝６ 2 3

（２）
方針：DJとCIの長さを求めてＣＤから引く
下の図の赤い砂時計型に注目すると、（１）と同様に
なるため、
DJ＝①＝３ 1 3

次に下の赤いピラミッド型に注目すると、相似比は
１：３となる。よって、CI：EF＝①：③となり、③＝１０㎝。
CI＝①＝３ 1 3

答えは、
10－（３ 1 3 ＋３ 1 3 ）＝３ 1 3

いかがでしょうか。結局、与えられた図形の中から、「ピラミッド型や砂時計型を発見できたこと」がきっかけで問題が解けている、ということになっているのがお分かりいただけたでしょうか。

もちろん、今回与えられた図の中には解説では使用していない形が複数あり、それを使って解いても全く問題ありません。いずれにせよ、「形を発見できた」ことがきっかけで解けた、という事実が大切です。

ではここからが本題です。相似を得意にするための方法について、です。

結局は、「与えられた図の中から形を見つけること」がきっかけで解けるのであれば、まずは見つける「目」を鍛えるために「複雑な図の中から形を見つける練習をしましょう」ということになります。

具体例を示すと、例えば以下のような図が問題に載っていたとします。

この中から①ピラミッド型、②砂時計型、③区切り面積型の３つの図形を、できる限り書き出してみましょう。

例）①ピラミッド型

②砂時計型

③区切り面積型

ここで、この練習をしていただく際のコツをお伝えすると

１）「３つの図のうちのどれかないかな」、という探し方ではなく、①「ピラミッド型を探す」⇒②「砂時計型を探す」⇒③「区切り面積型を探す」とターゲットを決めて探すこと。図形が苦手な子ほど、「どれかないかな」では見つけられない。

２）「目」を養うには継続が必要。苦手な子ほど、２～３日に１問でもよいので取り組みを継続する（問題を解く必要はないので、時間はそこまでかかりません）。

３）可能であれば、保護者の方とタイムアタック形式で書き出した個数を競争する、といった遊び要素を組み込むことができれば更によい。

ちなみに、「図形を発見する力」は相似だけではなく平面図形の他の分野（角度や面積）でも求められます。形を探す努力は、平面図形全般の底上げにつながりますので、ぜひ取り組んでみてください。

この練習は問題を解く必要はありませんので、題材は塾テキストに載っている問題だけではなく、様々な学校の入試問題を使っても良いです。

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