「理科の成績が伸び悩んで心配」と感じる方は多くいます。中学受験の理科は、暗記だけでなく理解力も必要です。この記事では、中学受験の理科の特徴や...
皆さんこんにちは。
SS-1理科講師の村橋です。
サピックス5年生の皆さんへ、今週の理科の攻略ポイントをお届けします!
「溶解度」の攻略ポイントは、知識は、少ない方や片方を覚え、計算は、表の形で条件整理をすることです。
➀水溶液の知識
➁溶解度の計算
➂固体の取り出し方
まずは、用語を押さえましょう。
溶質は、溶けている物質です。「溶」けている物「質」なので、略して「溶質」と覚えましょう。
溶媒の覚え方は、溶質ではない方です。つまり、水溶液なら、物質を溶かす水が溶媒にあたります。
次に、水溶液の性質を確認しましょう。
水溶液の性質で覚えておきたいものは次の2つです。
・全体の濃さが均一
・透明
なお、透明と無色は違うものなので注意しましょう。例えば、醤油は茶色ですが、向こう側が透けて見えるので透明な液体です。
そして、水にたくさん物質を溶かすには、次の2つの方法があります。
・水温を上げる
・水の量を増やす
最後に、水にはやく物質を溶かすには、次の3つの方法があります。
・水温を上げる
・細かく砕く
・かき混ぜる
溶解度曲線(グラフ)が出てくると難しそうに感じるかもしれませんが、変化前の温度のときに溶ける量と、変化後の温度のときに溶ける量の差を見るだけで解くことができます。

溶解度の計算は、「表」で解きます。
次の➀~③の3ステップで解いていきましょう。
(1)問われている温度の溶解度を確認する
(2)与えられた条件を項目ごとに書き出して「表」の形で条件整理
(3)比例計算
(例)20℃の水200gにホウ酸を溶けるだけ溶かしました。水溶液の温度を60℃に上げると、あと何g溶かすことができますか。ただし、ホウ酸の溶解度は20℃で5g、60℃で15gとします。

(1)今回の問題は、20℃から60℃に温度を上げるので、それぞれの温度の溶解度を確認します。溶解度は、20℃で5g、60℃で15gです。
(2)温度、水の量、溶かせるホウ酸の量の条件を書き出していきます。そして、今回は温度を変えたときの差を求めるので、差も計算して書き加えます。水100gのときに20℃から60℃に温度を上げると差は10g、つまり、さらに10g溶かすことができるとわかります。
(3)水の量が2倍になっているので、温度を上げたときに溶かせる量も2倍になり、20g溶かすことができるとわかります。
溶質の取り出し方は、次の3つがあります。
・ろ過
・再結晶
・蒸発
固体の溶け残りがある場合や、そもそも固体が液体に溶けていない場合は、ろ過で固体を取り出すことができます。
なお、ろ紙を通り抜けた液体は、水ではなく水溶液です。
例えば、溶け残りのある食塩水をろ過すると、ろ紙には溶け残った食塩が見られ、ろ紙を通ってビーカーにたまった液体は食塩水になります。

固体が溶けている場合は、再結晶か蒸発で取り出します。
基本的には、水溶液の温度を下げて固体を取り出す再結晶になりますが、食塩のように、温度を変えてもあまり溶解度が変化しない場合は、水を蒸発させて固体を取り出します。

溶解度の知識は、少ない方や片方を覚えて判断しましょう。計算は、表の形で条件整理をすることが大切です。
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この相談に答えた講師
村橋 寛人(Murahashi Hiroto)
中学受験専門のプロ個別指導教室SS-1(エスエスワン)理科教務主任。関東にあるSS-1横浜教室を中心に指導しており、中学受験を目指すお子さんを難関中学に送り出しています。生徒さんが問題文のどこを見て、何を感じ、どう判断したのかを考え抜き、授業では「自分で気付ける」ような問いかけを徹底する講師です。生徒さんからも「柔らかく何でも話しやすい」という声が多く集まっています。
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