中学受験において、植物分野は重要な出題範囲の一つです。しかし、多くの受験生が、植物の覚え方に苦戦しています。この記事では、中学受験における植...
皆さんこんにちは。
SS-1理科講師の村橋です。
サピックス5年生の皆さんへ、今週の理科の攻略ポイントをお届けします!
「中和」の攻略ポイントは、グラフの形を説明できるようにすることです。
➀中和反応
➁中和反応とグラフ
➂中和計算
酸性の水溶液とアルカリ性の水溶液をまぜると中和反応が起こり、固体(塩と書いてエンと読みます)と水ができます。
(例)酸性の塩酸とアルカリ性の水酸化ナトリウム水溶液の中和反応
塩酸+水酸化ナトリウム水溶液→食塩+水
食塩は、理科の名前(物質名)で「塩化ナトリウム」といいますが、塩酸の溶質である塩化水素と、水酸化ナトリウム水溶液の溶質である水酸化ナトリウムを一度バラバラにしてから、それぞれをくっつけます。
塩化・水素 + 水酸化・ナトリウム → 塩化・ナトリウム + 水
中和反応のグラフは次の2パターンです。
グラフの最初の位置と、グラフの形に注目して覚え、理由も説明できるようにしましょう。
1.塩酸に水酸化ナトリウム水溶液を加えたときのグラフ

2.水酸化ナトリウム水溶液に塩酸を加えたときのグラフ

③中和計算
比例計算は「表」で解く
気体発生のときと同じく➀~③の3ステップで解いていきましょう。
(例)うすい塩酸40㎤の入った試験管にうすい水酸化ナトリウム水溶液をまぜました。その後、加熱したところ白い個体が出てきました。

➀過不足なく反応する点、つまり完全中和する点(=「ぴったり」)を見つける
→「差」に注目!
(増えなくなった、もしくは増え方が変わったところが「ぴったり」)
(例題1)このとき塩酸40㎤と完全中和するのに必要な水酸化ナトリウム水溶液は何㎤ですか。

➁「表」にして条件整理
→与えられた条件を項目ごとに書き出して「表」にする
(例題2)塩酸80㎤に水酸化ナトリウム水溶液90㎤をまぜると、白い個体は何gでてきますか。

→求めたい値を□で置く!
③「小さい方」で比例計算

◎「あまり」に注意!
「あまり」は、今回の単元の「難しいポイント」です。
塩酸があまる場合は、塩酸を蒸発させても固体は出てきませんが、水酸化ナトリウム水溶液があまる場合は、蒸発させると水酸化ナトリウムの固体が出てきます。
そのため、今回の問題は、さらに計算する必要があります。
完全中和後に、水酸化ナトリウム水溶液を10㎤たすと、固体は0.2g増えることから水酸化ナトリウム水溶液10㎤に水酸化ナトリウム0.2gが溶けているとわかります。

つまり、中和でできた食塩(塩化ナトリウム)3.6gと、
あまりの水酸化ナトリウム水溶液に溶けている水酸化ナトリウム0.6gで
4.2gの固体が出てくることになります。
中和は、グラフの形を説明できるようにすることが大切です。
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この相談に答えた講師
村橋 寛人(Murahashi Hiroto)
中学受験専門のプロ個別指導教室SS-1(エスエスワン)理科教務主任。関東にあるSS-1横浜教室を中心に指導しており、中学受験を目指すお子さんを難関中学に送り出しています。生徒さんが問題文のどこを見て、何を感じ、どう判断したのかを考え抜き、授業では「自分で気付ける」ような問いかけを徹底する講師です。生徒さんからも「柔らかく何でも話しやすい」という声が多く集まっています。
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