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みなさん、こんにちは。SS-1算数科講師の日野です。
今回は、受験算数における5年生の注力ポイントと6年生の注力ポイントの違い、そこから見えてくる5年生の方が今何をやっておくべきか、についてお伝えできたらと思います。
「6年生になると大変になる!」というのは、いろいろなところで叫ばれており、通塾日数やテキスト量の増加といった、目に見える増加・変化は分かりやすいと思います。
では、目に見えづらい部分では何が変わる・大変になるのでしょうか。2つ取り上げてみたいと思います。
【変化のポイント】1単元1単元の学習濃度は薄まってしまう
SAPIXの「速さ」に関するカリキュラムを例として、具体的に見てみましょう。
510-08:旅人算(1)
510-09:旅人算(2)
510-22:旅人算(3)
510-23:時計算
510-28:流水算
510-29:通過算
F51-04:速さに関する問題
冬期講習で速さの総まとめ回が準備されていますが、その単元に特化した授業が1回は準備されていて、きちんとそこで考え方、図の書き方など、基本の導入を実施してくれています。
61-05:速さ(1)
61-06:速さ(2)
61-18:速さ
N61-05:速さ(1)
N61-12:速さ(2)
61-26:速さ(1)
61-27:速さ(2)
全7回すべてのタイトルが「速さ」になっています。細かく「旅人算」や「時計算」といった細かい1つ1つの単元に特化して学習するのではなく、総合して学ぶことになります。一つのテキストの中に複数単元の問題が混在していて、1つ1つの単元の学習濃度としては薄まってしまうことになります。
しかも5年生で速さの全単元を一通り学習しているとはいえ、まだ「学習していないパターン問題」は多数存在しており、6年では新たにそれらの習得も求められるため、純粋に5年生内容を復習・確認するような問題はテキストに1~2問しか掲載されていない、ということも起こります。
5年生で学習した内容はある程度(というかほとんど)身についている、という前提でテキストが作られている+授業もそのように展開されるため、5年生までの内容があまり身についていない場合、6年生で学ぶ内容は「丸暗記に近い学習」で対応するしかなくなります。
そして、その「丸暗記に近い学習」の弊害は6年生になると、より顕著にテストの点数として出てきます。それは次で見ていきます。
【変化のポイント】暗記では対応できない+理解した上で習得してテストで出せるレベルに引き上げる必要がある
5年生までは新しい単元を学習することが多いため、「その週、あるいはその月の学習内容の習得」が目標となります。 よって、塾のテストは「習得できているかどうかの確認のためのもの」という意味合いが強くなります。
目標から考えてテキストに載っている問題と大きく違うものをテストで出した場合、定着しているかどうかの確認としては不適切となるため、テキストの類題からの出題が多くなります。
類題が多いということは、つまり腑に落ちたり理解できていない状態でもテキストの問題を3~4周して丸暗記してそれを覚えられる生徒であれば、成績としては出ることもあります。
ですが、6年生では徐々にそれが通用しなくなります。理由はいくつかありますが、その1つが5年生までの学習と6年生の学習では、目標とするものが変化しているからです。
6年生の学習の目標は、「初見問題への対応力をつけること」です。それは、難関校を目指すほど、テキストに載っているような問題がそのまま入試で出題される可能性は低くなるため、見たことがない、いつもと違う設定の問題が解けないと、入試で合格できません。
それを身に着ける段階が6年生です。ということはテストでテキストに載っている問題ばかり出題してしまっては、初見問題への対応力が育ってきているのか、判断できません。
よって、テストの構成も6年生に入ってから徐々にシフトします。単にテキストの問題を丸暗記しているだけでは、6年生になってからテストの点数がジリジリ下がります。
SS-1でも、5年生までは成績が順調でも6年生になって成績が下がってきたというご相談をよくいただくのですが、その原因の一つが5年生までの暗記型学習からの転換ができていないというものです。
では、6年生が始まる前までにやっておきたいことにはどのようなことがあるでしょうか。
1)重要分野の苦手をできる限りつぶしておく
最初にあげたように、6年生の授業は5年生で学習したことは「ほぼ理解している」という前提で進みます。
すべての単元を仕上げて6年生を迎えられたらベストですが、逆にそのような人は一握りで、大なり小なり定着していない部分は誰にでもあります。
しかし、定着していない部分が多ければ多いほど6年生の授業が活かされなくなるので、できる限り5年生の内容を振り返った状態で6年生を迎えましょう。
冬休みや2月最初の入試期間中に「これまでの復習」の時間が確保できるように、今からこれまでのテストで得点できてない分野を洗い出しておき、どのテキストや問題を使ってそこを補強するか、計画を立てておきましょう。
優先順位が判断できない場合は、平面・立体図形や割合、速さ、といったどこの学校を受験するとなってもよく出題される重要単元を重点的に学習するとよいでしょう。
2)「暗記型学習」になっていないか確認・チェックする
【対策ポイント】不安がある場合は塾の先生や第三者に相談する
先述の通り暗記型学習になっている場合、5年生まではギリギリ成績が保てても、6年生になって成績が下がってくる可能性があります。
ただしお子様の学習が理解を伴っている、あるいは暗記型学習になっているかどうかは、保護者の方には判断しづらいかと思います。
仮にその確認のために問題を説明してもらおうとしても、子どもは大人ほど順序立てて説明できないため、保護者がその内容が合っているかどうか判断できないことが多いです。
では、どのように判断すれば良いのでしょうか。「範囲のあるテスト」と「範囲のないテスト」の成績の差がどれくらいあるか、を一つの指標としましょう。
5年生までの範囲のあるテストは、適切な対策を打つことができていれば成績が出やすいです。一方、範囲のないテストは対策の打ちようが少ないため、本当の実力が現れます。
範囲のあるテストと範囲のないテストで偏差値が5~10程度下がってしまうことが多い場合、危険だとお考え下さい。
とはいえ、そのような場合に必ず暗記型学習に陥っているとも限らないため、普段のお子様の学習の様子やテストの結果から不安を保護者がお感じの場合、塾の先生や我々のような第三者に相談してみて、答案を分析してもらうとよいでしょう。
仮に暗記型学習に陥っていると判断された場合、その改善はお子様の独力では簡単ではありません。塾の授業だけでは理解、納得が得られてないということになるので、腑に落ちていないポイントを見抜き、追加で説明して理解・納得を引き出す必要があります。
そのような場合は、何かしらの塾のサポート(保護者の助力、動画、家庭教師や個別指導など)をご検討ください。

この相談に答えた講師
日野 泰志(Hino Yasushi)
中学受験専門のプロ個別指導教室SS-1(エスエスワン)関東副代表・自由が丘教室長・算数科教務主任。関東にあるSS-1自由が丘教室を中心に指導しており、中学受験を目指すお子さんを難関中学に送り出しています。担当教科は算数。子ども達のノート、テストの徹底分析から、成績アップへの最短距離を的確に見つけ出す分析力に定評があります。
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