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【中学受験】過去問演習の質が変わる「3つの裏ワザ」

最終更新
【中学受験】過去問演習の質が変わる「3つの裏ワザ」

9月に入ると、いよいよ過去問演習が本格的に始まります。ところが、この過去問演習、じつは取り組み方を間違えているご家庭が非常に多いのです。

解く学校の順番、目標にすべき点数、出てきた点数の受け止め方――。どれも塾で細かく教わる機会は少なく、ご家庭の判断に委ねられがちです。そのため「なんとなく」で進めてしまい、せっかくの過去問が持ち味を発揮しないまま消費されていきます。そこで、過去問演習の効果を大きく左右する3つの裏ワザをご紹介します。

1. 裏ワザ① 第一志望から解かない

過去問演習を始めるとき、多くのご家庭はまず第一志望校の過去問を手に取ります。気持ちとしては自然なことですが、お子さんの状況によっては、第一志望から解かないほうがよい場合があります。

おすすめしたいのは、抑え校となる学校から順に解いていく進め方です。抑え校で合格最低点が取れたら、次は併願校へ。そこでも合格最低点が取れたら、第一志望へ。このように、志望順位の低い学校から順に進めていきます。

抑え校から解く3つのメリット

①苦手単元がはっきり見える
ある程度点数が取れる学校のほうが、「解けなかった問題=本当の苦手」が浮き彫りになります。全体の点数が低すぎると、どこから手をつけるべきか分からなくなってしまいます。

②過去問演習に自信がつく
点数が取れることで、「過去問は戦える」という手ごたえが生まれます。この感覚が、その後の演習を支えます。

③第一志望の過去問を無駄にしない
第一志望の過去問は、収録年数に限りがある貴重な教材です。まったく歯が立たない状態で消費してしまうと、傾向をつかむ機会をひとつ失うことになります。

取り組む回数の目安は、志望順位によって変わります。ただし、これはあくまで最低限の目安です。もっとも大事なのは、すべての学校で「合格最低点が取れたら、次に進む」という条件をつけることです。

志望順位取り組む回数の目安
第一志望10回
第二志望5回
第三志望以下3回
押さえ校(併願校)合格最低点が取れるまで(できれば2回連続クリアが目安)

Q. どの年度・どの回から解けばいいの?

第一志望のように回数を多く解く学校は、実際に自分が受ける日程かどうかに関わらず、収録されている全年度・全日程を解きましょう。一方、併願校や押さえ校のように回数が少ない場合は、実際に自分が受験する回(第1回・第2回など)だけをピンポイントで解くのが効率的です。

年度の順番は、回数が少ない学校ほど新しい年度から解き進めるのが基本です(古い年度から始めると、本番までに最新の傾向にたどり着けなくなるおそれがあります)。第一志望のように回数を多くこなす場合は、逆に古い年度から順に進めるのが基本ですが、出題傾向が大きく変わった学校では柔軟に調整しましょう。

コラム:解答は見えないところに置いておく

過去問を解いていると、お子さんはついつい解答を見たくなってしまうものです。大人が思っている以上に、小学生は点数を気にしています。自分を安心させるために、解答をチラ見してしまう子は、毎年必ず一定数います(想像しているよりずっと多いです)。解答は必ず保護者が保管し、お子さんの手の届かないところに置いておきましょう。

2. 裏ワザ② 合格者平均点は狙わなくていい

2つめの裏ワザは、目標点の決め方です。「できるだけ高い点数を」と考えて、合格者平均点を目標にしてしまうご家庭は少なくありません。ですが、合格者平均点は、必ずしも狙う必要のない数字です。

合格者平均点が「高すぎる」理由

合格者平均点は、その学校に合格した受験生全員の点数を平均したものです。ここで注意したいのが、合格者の中にはより上位の学校を第一志望としていて、この学校を併願校として受けた高偏差値の受験生が含まれているという点です。

そうした受験生は、その学校の合格ラインを大きく上回る点数をマークします。彼らの高得点が平均値を押し上げているため、合格者平均点は、実際に合格するために必要な点数よりも高い数字になっているのです。

つまり、その学校を第一志望とするお子さんが本当に戦う相手は、合格者平均点をマークする層ではありません。合格ラインぎりぎりに集まっているボリュームゾーンです。ここを見誤って合格者平均点を目標にすると、いつまでも目標に届かず、力はついているのに自信だけを失っていくことになります。

狙うべき目標点

「受験者平均点」と「合格者平均点」のちょうど中間を目指す。

なぜ「中間」なのでしょうか。受験者平均点は、不合格者も含めた全受験生の平均です。ここに届いているだけでは、合格ラインには足りません。一方、合格者平均点は先ほどの理由で高すぎます。その中間こそが、実際の合格ラインに最も近い現実的な数字なのです。各教科で中間をクリアしていけば、4教科合計は自然と合格最低点に乗ってきます。

教科ごとに戦略を分ける

とはいえ、実際には教科ごとに得意・苦手の差があるため、すべての教科で「受験者平均点と合格者平均点の中間」を均等に取るのは、なかなか簡単ではありません。教科ごとに、目指す点数の考え方を分けましょう。

教科別の目標設定

最も得意な教科......合格者平均点を超えることを目標にしてよい。ここでしっかり稼ぐ。

その他の教科......受験者平均点と合格者平均点の中間を目指す。

苦手な教科......「受験者平均点」を割らないよう踏ん張る。

苦手教科が受験者平均を大きく下回ってしまうと、他の教科での挽回が極めて難しくなります。まずは他の教科の足を引っ張らない点数=受験者平均を目標にしましょう。

コラム:基本問題を1問落とす重み

正答率8?9割の「みんなが取れる基本問題」を1問落とすと、それを取り返すには、他人が落とすような難問を1問解かなければならなくなります。高い目標点を狙うより先に、目の前の基本問題を確実に拾うことを最優先にしましょう。

3. 裏ワザ③ 第一志望の初回は「30点」でいい

3つめの裏ワザは、出てきた点数の受け止め方です。第一志望校の過去問を初めて解いたとき、100点満点中30点程度でも、まったく問題ありません。

最初から50?60点取れることのほうが稀です。過去問はこれまでの塾のテストとは出題形式も傾向も異なるため、慣れていない段階で点数が低いのは、いわば当然の結果なのです。

低い点数への向き合い方

決して焦ったり、お子さんを責めたりせず、「ここから傾向を学んで伸ばしていこう」と前向きに受け止めましょう。過去問演習の役割は、いまの実力を測ることではなく、本番までに志望校の傾向に慣れ、克服すべき課題を見つけることにあります。

ここで気をつけたいのが、9月以降も集団塾の週次テストの偏差値を追いかけ続けてしまうことです。塾のテストと入試問題では、出題傾向も求められる力も大きく異なります。9月からは、過去問の点数(あるいは学校別のオープン模試の結果)を判断材料の中心に据えるようにしましょう。

4. 過去問演習の進め方

ここまでの3つを、実際の進め方の手順にまとめます。

  1. 1
    抑え校から順に取り組む
    抑え校→併願校→第一志望の順に進め、合格最低点が取れたら次の学校へ。(裏ワザ①)
  2. 2
    回数・年度・回の選び方を決めておく
    第一志望は全年度・全日程、併願校は実際に受ける回のみ。回数が少ない学校は新しい年度から、第一志望は古い年度から。(裏ワザ①)
  3. 3
    目標点は「平均点の中間」に置く
    4教科合計は合格最低点、各教科は受験者平均と合格者平均の中間。最も得意な教科だけは合格者平均超えを狙う。(裏ワザ②)
  4. 4
    初回の低い点数で動揺しない
    第一志望の初回は100点満点中30点程度でも問題なし。傾向を学び、課題を見つける機会としてとらえる。(裏ワザ③)

5. お子さんの過去問の進め方、それで合っていますか

SS-1の学習カウンセリングでは、実際の過去問の得点推移や取り組み方を拝見しながら、志望校ごとの優先順位づけや、教科ごとの目標点設定まで、お子さんに合った過去問演習の進め方をご提案しています。

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過去問の得点や取り組み状況をお持ちいただければ、受験指導の専門講師が「このままのペースで間に合うか」「どの学校から手をつけるべきか」をその場で分析し、ご家庭に合った過去問演習の計画をご提案します。

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お子さんの過去問演習のどこに手を打つべきかを見つけて、解決策をご提示します。気になった方は、ぜひ一度、過去問の結果をお持ちのうえでお越しください。

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この記事を執筆した講師
田畠 靖大(Tabata Yasuhiro)
中学受験専門のプロ個別指導教室SS-1(エスエスワン)関東副代表・渋谷教室長。関東にあるSS-1渋谷教室を中心に多くの受験生を指導し、毎年難関中学に送り出しています。担当教科は国語・算数。論理性を重視しながらも、ソフトな語り口でお子様の課題解決に取り組みます。テストでの得点向上のみならず、科目の根本理解、体系理解を実現、得意科目に仕上げていきます。

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