4年生は中学受験に重要な時期ですが、多くの親が対策に悩んでいます。受験に合格するには、適切な受験準備が欠かせません。本記事では、中学受験が4...
志望校まで偏差値が届いていない。今のままの学習で合格できるのか不安----。
夏休み前になると、こうしたご相談を毎年たくさんいただきます。特に小5・小6では、学習内容が一気に難しくなり、クラス内でも成績が伸び悩み始める子が増えます。
こうした時期に最も重要なのが「夏期講習」の過ごし方です。
夏期講習は、まさに"受験の天王山"。この1ヶ月で得た経験と力が、その後の成績を大きく左右します。
ただ「たくさん勉強する」だけでは成果は出ません。大切なのは「何を・どのタイミングで・どのように」学ぶか、そして親子でどう関わるか。
今回は、現場で実際に効果があった「夏の過ごし方のコツ」を、具体的にご紹介します。
5年生以下の場合、夏期講習は午前〜お昼に授業があることが多いです。
3〜5時間、集中して新しい単元や演習問題に取り組んだ後は、当然へとへとです。「今日はよく頑張ったね、お昼ご飯を食べてからお買い物にでも...」となりがちですが、ここで油断は禁物です。
人間の記憶は"学んだ直後"がもっとも新鮮で、そこから急速に薄れていきます。
午後に遊んで夜遅くから勉強を始めたのでは、せっかく覚えかけていた知識や考え方がどんどん消えてしまうのです。この復習が翌日の定着度を大きく左右します。
お子さんが「わからないな」と感じた問題も、親御さんが解説を一緒に読むだけで"再インプット"が起きます。
「お盆休みや時間のある日にまとめてやろう」と思いがちですが、その時点で記憶はかなり薄れてしまっています。前日にやった単元も「あれ、どんな内容だっけ?」からスタートすることが多く、結果的に非効率。"学びっぱなし"を防ぐためにも、その日のうちの小さな復習が大切です。
夏休みには「塾も学校もない日」が意外と多くあります。この日は普段なかなかできない「苦手単元」に取り組む絶好のチャンスです。
「1日1単元」のペースで十分です。
ポイントは、"苦手をそのままにしない"こと。「得意にする」より「できない単元をゼロに近づける」ことが、秋以降の学習効率を大きく高めます。
この機会に前期のテキストを完璧にしてしまいましょう。
6年生は午後〜夜に講習があり、帰宅時間が20時、21時を回ることも珍しくありません。長時間の講習で脳も体もヘトヘト。「今日もよく頑張ったね」と労いたくなりますが、そのまま寝てしまうのはNGです。
なぜ「寝る前の整理」が効くのか?
脳は寝ている間に"記憶の整理"をしますが、どこが大切だったのか、どこが理解できなかったのかを曖昧なままにしておくと、その記憶ごと整理されてしまいます。
たったこれだけで、翌朝の記憶定着が劇的に違います。親子のコミュニケーションも深まりますし、「抜け落ち」も防げます。
夏期講習が午後型の場合、午前は家庭学習に最適な時間です。ここで「昨日の復習」に集中しましょう。
コツ:
6年生になると、「苦手単元はもう間に合わない」と諦めてしまう子が多いのも事実です。しかし、夏休みこそ"最後の逆転チャンス"です。小テストや過去問演習の点数に一喜一憂するのではなく、「夏の間に抜け落ちを減らす」ことだけに集中してください。
多くのご家庭が「夏期講習が終わったのに、夏期のテストで成績が上がらない」「これだけ頑張ったのに、成果が見えない」と焦ることがあります。しかし、夏期講習で学んだ内容や取り組みの成果が本格的に現れるのは、実は9月以降です。
夏は新しい単元や難度の高い問題に触れる機会が多く、「知識を吸収する期間」と「使いこなせるようになる期間」が分かれています。
講習期間中はインプットの連続で、アウトプットや応用力が追いつかないケースがほとんど。9月以降、通常授業や演習で繰り返し復習することで、やっと本当の意味で「自分の力」となって現れてきます。
実際、指導現場でも「夏のあと、急に点数が伸び始めた」「9月からクラス順位が上がり始めた」というお子さんは多いです。
夏に頑張った経験や苦手克服の努力は、秋以降にしっかり実を結びます。夏期講習直後の模試やテストで思うような結果が出なくても、「ここから伸びる」という気持ちで、焦らずに毎日の復習・確認を続けていくことが大切です。
夏の努力は必ず蓄積され、秋以降の自信やモチベーションに変わります。大切なのは、「すぐに結果が出ない」ことに惑わされず、自分のペースで着実に取り組み続けること。ご家庭でも、「今は伸び悩んでいても、夏の努力は無駄にならない」と、お子さんの努力をぜひ認めてあげてください。
どの塾でも夏期講習のテキスト量は膨大です。「全部やらなくちゃ」と思うとパンクしてしまい、「結局何も身に付かなかった...」となるお子さんも多いものです。
ポイント:
先ほど、夏期講習テストではすぐに成績が出ないと記載しましたが、下がる生徒がいれば上がる生徒も必ずいます。では、その違いはどこにあるのでしょう。それは「授業中にどれだけアウトプットしているか」にあります。
授業中にアウトプットするために、次のことに気をつけてみてください。
成績をすぐに出せる子はその場アウトプットが上手な子です。なるべく授業内で勉強を完結させられるようになりましょう。
→この失敗の大半は、"やるべきことをしぼり、即時復習・アウトプットの習慣化"で防ぐことができます。
夏期講習は「量」と「質」のバランスが最重要です。
これらを徹底するだけで、夏以降の成績と志望校への到達度は大きく変わります。
もし「どこから手をつけていいか分からない」「うまく進めているか不安」という場合は、個別指導や無料カウンセリングの力もぜひ借りてみてください。この夏が、お子さんにとって"成長の夏"となり、秋に自信をもって受験勉強を進められるよう、心から願っています。
ご家庭の状況やお子さんの性格に合わせて、最適な夏の過ごし方を探してみてください。

この相談に答えた講師
田畠 靖大(Tabata Yasuhiro)
中学受験専門のプロ個別指導教室SS-1(エスエスワン)国語科講師。関東にあるSS-1白金台教室、渋谷教室、お茶の水教室や、オンライン教室でも全国の生徒さんを指導しており、毎年難関中学に送り出しています。担当教科は国語・算数。論理性を重視しながらも、ソフトな語り口でお子様の課題解決に取り組みます。テストでの得点向上のみならず、科目の根本理解、体系理解を実現、得意科目に仕上げていきます。
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