中学受験9月の動画「歴史の学習、序盤のポイント」についてSS-1副代表の馬屋原がお届けします。
【中学受験】夏期講習で挽回するには?上手な夏の過ごし方
夏休みの「過ごし方」で受験は大きく変わる
志望校まで偏差値が届いていない。今のままの学習で合格できるのか不安----。
夏休み前になると、こうしたご相談を毎年たくさんいただきます。特に小5・小6では、学習内容が一気に難しくなり、クラス内でも成績が伸び悩み始める子が増えます。
こうした時期に最も重要なのが「夏期講習」の過ごし方です。
夏期講習は、まさに"受験の天王山"。この1ヶ月で得た経験と力が、その後の成績を大きく左右します。
ただ「たくさん勉強する」だけでは成果は出ません。大切なのは「何を・どのタイミングで・どのように」学ぶか、そして親子でどう関わるか。
今回は、現場で実際に効果があった「夏の過ごし方のコツ」を、具体的にご紹介します。
【5年生以下】その日の"復習サイクル"が定着のカギ
なぜ「当日復習」が必要なのか
5年生以下の場合、夏期講習は午前〜お昼に授業があることが多いです。
3〜5時間、集中して新しい単元や演習問題に取り組んだ後は、当然へとへとです。「今日はよく頑張ったね、お昼ご飯を食べてからお買い物にでも...」となりがちですが、ここで油断は禁物です。
人間の記憶は"学んだ直後"がもっとも新鮮で、そこから急速に薄れていきます。
午後に遊んで夜遅くから勉強を始めたのでは、せっかく覚えかけていた知識や考え方がどんどん消えてしまうのです。この復習が翌日の定着度を大きく左右します。
お子さんが「わからないな」と感じた問題も、親御さんが解説を一緒に読むだけで"再インプット"が起きます。
失敗例:後回しにしてしまうと...
「お盆休みや時間のある日にまとめてやろう」と思いがちですが、その時点で記憶はかなり薄れてしまっています。前日にやった単元も「あれ、どんな内容だっけ?」からスタートすることが多く、結果的に非効率。"学びっぱなし"を防ぐためにも、その日のうちの小さな復習が大切です。
お休みの日=苦手克服タイム
夏休みには「塾も学校もない日」が意外と多くあります。この日は普段なかなかできない「苦手単元」に取り組む絶好のチャンスです。
- これまでのテストをざっと見直して「よく間違える単元」をリストアップする
- 理科や社会など暗記が中心の単元は、親子で一緒に図鑑や動画、資料集を使って調べてみる
- 算数の文章題・図形・割合など、つまずきやすいテーマは前期のテキストを一度"白紙で"解き直してみる
「1日1単元」のペースで十分です。
ポイントは、"苦手をそのままにしない"こと。「得意にする」より「できない単元をゼロに近づける」ことが、秋以降の学習効率を大きく高めます。
この機会に前期のテキストを完璧にしてしまいましょう。
【6年生】午前の活用+寝る前の整理が"合否を分ける"
夏期講習中の最大の敵は「疲労」と「抜け落ち」
6年生は午後〜夜に講習があり、帰宅時間が20時、21時を回ることも珍しくありません。長時間の講習で脳も体もヘトヘト。「今日もよく頑張ったね」と労いたくなりますが、そのまま寝てしまうのはNGです。
なぜ「寝る前の整理」が効くのか?
脳は寝ている間に"記憶の整理"をしますが、どこが大切だったのか、どこが理解できなかったのかを曖昧なままにしておくと、その記憶ごと整理されてしまいます。
- 1日20分、寝る前に「今日の授業内容」を振り返る。
- 「わからなかった問題」に付箋をつける。
- 親御さんが「どこが一番難しかった?」と一言声かけをする。
たったこれだけで、翌朝の記憶定着が劇的に違います。親子のコミュニケーションも深まりますし、「抜け落ち」も防げます。
午前の時間="穴埋め"のゴールデンタイム
夏期講習が午後型の場合、午前は家庭学習に最適な時間です。ここで「昨日の復習」に集中しましょう。
コツ:
- 講習中に解けなかった問題に必ず「印」をつけ、翌朝に優先して解き直す
- 解説を読む→自分の言葉で説明できるか確かめる→できなければ誰か(保護者・先生・個別指導)に質問する
6年生になると、「苦手単元はもう間に合わない」と諦めてしまう子が多いのも事実です。しかし、夏休みこそ"最後の逆転チャンス"です。小テストや過去問演習の点数に一喜一憂するのではなく、「夏の間に抜け落ちを減らす」ことだけに集中してください。
夏期講習の成果が見えてくるのは9月以降
多くのご家庭が「夏期講習が終わったのに、夏期のテストで成績が上がらない」「これだけ頑張ったのに、成果が見えない」と焦ることがあります。しかし、夏期講習で学んだ内容や取り組みの成果が本格的に現れるのは、実は9月以降です。
なぜ"すぐに"伸びないのか?
夏は新しい単元や難度の高い問題に触れる機会が多く、「知識を吸収する期間」と「使いこなせるようになる期間」が分かれています。
講習期間中はインプットの連続で、アウトプットや応用力が追いつかないケースがほとんど。9月以降、通常授業や演習で繰り返し復習することで、やっと本当の意味で「自分の力」となって現れてきます。
9月以降が"本当の伸びどき"
実際、指導現場でも「夏のあと、急に点数が伸び始めた」「9月からクラス順位が上がり始めた」というお子さんは多いです。
夏に頑張った経験や苦手克服の努力は、秋以降にしっかり実を結びます。夏期講習直後の模試やテストで思うような結果が出なくても、「ここから伸びる」という気持ちで、焦らずに毎日の復習・確認を続けていくことが大切です。
継続が自信につながる
夏の努力は必ず蓄積され、秋以降の自信やモチベーションに変わります。大切なのは、「すぐに結果が出ない」ことに惑わされず、自分のペースで着実に取り組み続けること。ご家庭でも、「今は伸び悩んでいても、夏の努力は無駄にならない」と、お子さんの努力をぜひ認めてあげてください。
夏期講習テキストは全部やらなくていい――"質"と"アウトプット"が決め手
テキストの「全部消化」必須ではない
どの塾でも夏期講習のテキスト量は膨大です。「全部やらなくちゃ」と思うとパンクしてしまい、「結局何も身に付かなかった...」となるお子さんも多いものです。
ポイント:
- 重要な単元・頻出の単元に優先順位をつける
- 苦手分野をしっかり復習したら、それ以外は"合格点"で十分
- 疑問が多い場合は、塾の先生との面談を活用し、テキストの取捨選択をプロと一緒に行う
インプット過多→"その場アウトプット"で差がつく
先ほど、夏期講習テストではすぐに成績が出ないと記載しましたが、下がる生徒がいれば上がる生徒も必ずいます。では、その違いはどこにあるのでしょう。それは「授業中にどれだけアウトプットしているか」にあります。
授業中にアウトプットするために、次のことに気をつけてみてください。
- 黒板をただ写すだけではNG。ノートは「まとめ直し」「自分の言葉で説明する場」と考えて、直前で教わった内容をもう一度自分の言葉で書くようにする。
- 覚えるべきことは、その場で余白に何度も書く。
- 答え合わせの際は「なぜ間違えたのか」「何が分からなかったのか」を必ず確認し、二度と同じミスをしない工夫を。付箋でメモを取れるとGood。
成績をすぐに出せる子はその場アウトプットが上手な子です。なるべく授業内で勉強を完結させられるようになりましょう。
よくある夏期講習の失敗例
- 「全部完璧にしよう」として、結局中途半端に終わる
- 計画を立てないまま、その日その日で復習や宿題をこなす
- 苦手単元を後回しにしてしまい、2学期以降もずっと苦手のまま
- 家庭学習が"ノルマ消化"になってしまい、本質的な理解が進まない
→この失敗の大半は、"やるべきことをしぼり、即時復習・アウトプットの習慣化"で防ぐことができます。
まとめ──この夏が"逆転の夏"になるように
夏期講習は「量」と「質」のバランスが最重要です。
- 授業後はその日のうちに必ず復習
- 休みの日は苦手単元の克服を優先
- 全単元をやる必要はなく、要点を絞って「定着」を目指す
- 授業中も、アウトプット重視で"自分の学び"を意識する
- 親子の会話で"理解の穴"を見つけ、早めに埋める
これらを徹底するだけで、夏以降の成績と志望校への到達度は大きく変わります。
もし「どこから手をつけていいか分からない」「うまく進めているか不安」という場合は、個別指導や無料カウンセリングの力もぜひ借りてみてください。この夏が、お子さんにとって"成長の夏"となり、秋に自信をもって受験勉強を進められるよう、心から願っています。
ご家庭の状況やお子さんの性格に合わせて、最適な夏の過ごし方を探してみてください。

この相談に答えた講師
田畠 靖大(Tabata Yasuhiro)
中学受験専門のプロ個別指導教室SS-1(エスエスワン)関東副代表・渋谷教室長。関東にあるSS-1渋谷教室を中心に多くの受験生を指導し、毎年難関中学に送り出しています。担当教科は国語・算数。論理性を重視しながらも、ソフトな語り口でお子様の課題解決に取り組みます。テストでの得点向上のみならず、科目の根本理解、体系理解を実現、得意科目に仕上げていきます。
関連記事
新着記事
【インタビュー】開成中学出身講師が語る「中学受験で本当に重要な志望校選択の基準」とは?Vol.2
中学受験9月の動画「合格率が「20%」だったときにやるべきこと」についてSS-1副代表の馬屋原がお届けします。
中学受験9月の動画テーマは「9月以降の学校別オープンの成績の見方」についてSS-1副代表の馬屋原がお届けします。







