【中学受験国語】中学受験の国語は、言葉の「言い換え問題」がほとんど!?
カテゴリー:国語の勉強法
こんにちは。
中学受験個別指導塾SS-1講師の田畠です。
今回は、中学受験の国語で出題される「言い換え問題」に焦点を当て、その解き方とお子様の「言い換えの感覚」を育てる方法についてお話しします。
言い換え問題とは?
言い換え問題とは、ある表現を別の言葉で言い換えて理解させる問題です。例えば、選択肢問題で「~とはどういうことですか」「~とは何ですか」と問われる場合、傍線が引かれた箇所の言葉を言い換えた選択肢を選ぶことが目的となります。
その他にも、抜き出し問題で「~と同じ意味の言葉を〇字で」と書かれている問題、「~は何を指しますか」という指示語の問題、「たとえば」や「つまり」を入れる接続語の問題などがあります。
中学受験の国語では、約7割が言い換えに関する問題となっており、それほど重要な問題なのです。
例:「科学とは社会の発展に必要不可欠である」とありますが、どういうことですか。
ア、科学技術は、経済成長と社会福祉の向上に欠かせない役割を果たしている。
イ、現代社会の発展は、科学的知見の応用によって支えられている。
ウ、科学の進歩は、社会全体の生活水準を向上させる原動力となっている。
エ、社会のあらゆる分野において、科学の知識と技術が発展の基盤となっている。
言い換え問題の対策
言い換え問題の解法はいたってシンプルです。
文章中に「言い換えられた言葉」を見つけ出せば、それがそのまま答えになります。
その言い換えられた言葉を探す手段をいくつ持っているかによって、国語の読解力は変わってきます。
「言い換えられた言葉」を探すための方法を、以下に六つ紹介します。
- 接続語に着目する
- 一文の中にある言い換えの言葉に着目する
- 一文同士の言い換えに着目する
- サンドイッチ構造で言い換えの言葉を探す
- 検索語を利用する
- 段落同士の関係に着目する
1. 接続語に着目する
接続語に着目することで、言い換えられた言葉を探す方法です。
「すなわち」「つまり」「要するに」「言い換えると」「言ってみれば」「いわば」「たとえば」などの接続語の後に続く部分が答えとなることが多いです。
特に、形式段落の最後の一文に書かれた接続語などに着目して問題を捉えることが重要です。
文章の構造を理解し、接続語を見逃さないようにしましょう。
例: 「日本の伝統的な食文化は、四季折々の食材を活かすことにある。つまり、季節ごとの新鮮な食材を使うことが大切なのだ。」
この例では、「つまり」の後に「季節ごとの新鮮な食材を使うことが大切なのだ」という部分が、日本の伝統的な食文化を言い換えています。
2. 一文の中にある言い換えの言葉に着目する
一文の中で言い換えが行われることも多いです。
「〇〇とは××」「〇〇は××」という構造に着目し、関係にある言葉を線で結ぶ習慣を作ることで、言い換えの感覚が身についていきます。
この方法を訓練するには、普段から文章を読む際に同義語や類義語を意識することが効果的です。
例: 「パンダとは、主に竹を食べる動物です」
この例では、「パンダ」と「主に竹を食べる動物」が言い換えの関係にあります。
3. 一文同士の言い換えに着目する
一文と一文の関係が言い換えになっている場合もあります。
この場合、「つまり」や「たとえば」などの接続語がない場合を想定する必要があります。
文章を一文ごとに分けてその文同士の関係に着目する「一文読み法」を用いることで、接続語がなくても言い換えられた文章であることに気づけるようになります。
例: 「私はお昼休みにドッジボールをして遊びました。1組と2組に別れての対抗戦でした。久しぶりに外で遊んで、いい思い出になりました」
この文章を一文ごとに見ると、 「お昼休みに遊んだドッジボール」=「1組と2組に別れての対抗戦」=「いい思い出」 というように、各文が互いに言い換えの関係にあることが分かります。
中学受験レベルの文章での練習
中学受験レベルになると、次のような文章になります。
「多くの場合、科学とは絶対的な真理として認識されることが多い。科学が誤謬を含む可能性を疑うことは稀である。観察された現象をそのまま理論化したものである、と見なされている」
ドッジボールの話なら言い換えだと気がついても、このように文章が難解になると、子どもが「言い換えの感覚」を失うことがあります。
いかに「言い換えの感覚」を育てるかがポイントです。
4. サンドイッチ構造で言い換えの言葉を探す
日本語の文章は「抽象・具体・抽象」のサンドイッチ構造になっていることが多いです。
前後の抽象部分が言い換えになっていることがよくあります。
例: 「科学は自然界の現象や法則を理解し、説明するための知識と方法論です。 たとえば、ニュートンはリンゴが落ちるのを観察し、重力の法則を発見しました。 このように、科学は具体的な観察から普遍的な法則を導き出します」
抽象が「科学は自然界の現象や法則を理解し、説明するための知識と方法論」 具体が「ニュートンはリンゴが落ちるのを観察し、重力の法則を発見した」 最後の抽象が「科学は具体的な観察から普遍的な法則を導き出すもの」となっています。
よって、「科学」=「具体的な観察から普遍的な法則を導き出すもの」となります。
5. 検索語を利用する
抜き出し問題などで活用できる方法です。
例えば、「私はAと思っているので、[5文字]はBである」という問題があった際に、答えとなる[5文字]の近くにはAやBの言葉の言い換えが存在しているはずです。
これを探すことで答えとなる箇所が見つかりやすくなります。
検索語を探す際には、まず設問の指示に従ってキーワードを見つけ、そのキーワードの周辺を注意深く読むことが重要です。
文章の中で同じ内容が異なる表現で記述されている部分を探すことで、正確な答えにたどり着けます。
例: 「私が読書をするのは本の[二文字]が好きだからだ。」
この場合「読書」「本」「好き」などのキーワードに着目してみましょう。
文章中からこれらのキーワードの類語が見つかれば、その近くに答えがあるはずです。
6. 段落同士の関係に着目する
段落同士の関係に着目することも重要です。
段落を要約したものと、次の段落を要約したものが言い換えの形になっているケースがあります。
例えば、ある段落が「環境問題の重要性について説明している」と要約できる場合、次の段落では「環境問題の具体的な影響や対策について説明している」という形で言い換えが行われていることが多いです。
これを見極めるためには、段落ごとに要約する習慣をつけることが有効です。
例:
段落1: 「近年、地球温暖化が深刻な問題となっている。これは、人間の活動によって二酸化炭素が増加したためである。」
段落2: 「地球温暖化の影響で、北極の氷が溶け、海面が上昇している。このままでは、多くの沿岸都市が水没する可能性がある。」
この例では、1つ目の段落が地球温暖化の原因(人間の活動による二酸化炭素の増加)について説明しているのに対して、2つ目の段落が地球温暖化の影響(北極の氷の溶解と海面上昇)について説明しています。
各段落の要約が言い換えの関係になっていることが分かります。
言い換え問題の解法は以上の通りです。
ぜひ、ご家庭で実践してみてください。
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