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国語は「解く」より「振り返る」で伸びる――テストや過去問の正しい振り返り方

最終更新
カテゴリー:国語の勉強法
国語は「解く」より「振り返る」で伸びる――テストや過去問の正しい振り返り方

1.「解いたら終わり」では、国語は伸びない

国語の点数が伸びない生徒の多くは、「解く」ことに時間を使いすぎています。もちろん演習量は必要です。しかし国語という科目は、ただ解くだけでは結果が出にくい。むしろ、解いた後の"振り返り方"で差がつく科目です。

たとえば、テストを一度解いて、答え合わせをして終わりにしてしまう。これは"やった気になるだけ"で、読み方も考え方も修正されないままです。国語では、「自分がどのように読んだか」を思い出すことこそが本質的な学習になります。

解答を見る前に、まず自分の思考の跡をたどる。どこで線を引き、どの段階で根拠を決め、どの瞬間に違和感を見落としたのか。この"再現"ができる生徒ほど、安定して得点を取るようになります。

2.振り返りの質が高い生徒の共通点~ノートで振り返る~

振り返りが上手い生徒は、解くのと同じくらいの時間を振り返りに使っています。知識問題(語句・文法)でミスがあればその場で覚え直し、文章問題では答えのあった箇所を文章中から探し出し、「どのあたりの根拠を求めているのか」を分析します。

テストの振り返り用ノートにも特徴があります。

ただ「アではなくイだった」と書くのではなく、

  • 「自分はなぜこの選択肢の間違いに気づけなかったのか」
  • 「自分はなぜ正解の選択肢を間違いだと思ってしまったのか」

を言葉で整理しています。

これが"自分の読み方の癖"を可視化する第一歩です。
一方で伸び悩む生徒は、丸つけをして終わり。答えが何だったのかを確認するだけで、どこで誤読したのかを見つめ直しません。

特に記述問題を"なんとなく"で済ませてしまうと、いつまでも伸びない。どの部分を使い、どのように言い換え、なぜそのように採点されているのかを想像して直すことが重要です。

3.ズレを発見するための線引きと確認

振り返りでまず行うべきは、答えの根拠となる部分に線を引くことです。「正答はどの文をもとに導かれているのか」を自分の手で確かめる。また、自分の線引きと照らし合わせて、どれくらいズレがあったのかを分析し、正しい箇所に線引きをするためには次回どうすればよいのかを考える。

これだけでも、読解のズレは見えやすくなります。

線引きを通じて、本文のどの段階で焦点がずれたのか、指示語や接続語の理解がどこで甘くなったのかを分析できます。

また、家庭での取り組みとしては親の口頭確認も有効です。「どこから答えを見つけたの?」「なぜその選択肢を選んだの?」と問いかけてあげるだけで、子どもの思考を言語化させることができます。

この"対話的な分析"を積み重ねると、読解の精度は着実に高まります。

4.「読む・考える・書く」のどこで崩れたかを特定する

国語の振り返りで最も大切なのは、「どの段階で間違ったか」を特定することです。読む・考える・書く----この三段階のうち、どこでズレたのかを見極めます。

  • 読むのズレ:線引きはしているが、重要でない部分を選んでいる/接続語を見落としている
  • 考えるズレ:選択肢を分割して分析できていない/時間配分を意識できていない
  • 書くズレ:記述を書く際の根拠が明確ではない/語尾の間違いなどケアレスミスが目立つ

どれか一つを強化するよりも、どの段階が崩れているかを診断することが重要です。振り返りとは、得点の修正ではなく、思考の構造を分析する作業なのです。

5.「再読」ではなく「逆算」で考える

過去問やテストの振り返りをする際は、再度時間を計って一から解く必要はありません。むしろ、"答えから逆算して"なぜそのような答えになったのかをたどることが大切です。

たとえば正答を見ながら、「この答えを導くためには、どの文を根拠にして、どんな読み方をすべきだったのか」を考える。

単にもう一度読むだけでは、前回の自分の誤りを修正できません。正答を起点に、思考のプロセスを再構築する。それが国語における本当の意味での"振り返り"です。

特に、過去問を解いている6年生に関しては、解き直しの時間を"問題を解いた時間と同じくらい"確保してください。慣れてきたら半分くらいに減らしてもいいですが、本来、解き直しにはそれくらいの時間がかかるのです。

6.まとめ:国語は"分析"の教科である

国語は、努力量やセンス以上に、分析力で伸びる教科です。問題を作るのは人間です。だからこそ、作問者の考え方や文章の構成意図を読み取る必要があります。

特に過去問は、学校によって答えの位置や根拠の示し方は大きく異なります。この傾向を分析できるかどうかが、合否を分けます。

過去問の目的は点数を出すことではありません。
「この学校はどういう考えで問題を作っているのか」
「自分はどのような読み方をすると間違いやすいのか」
その二点を見抜くこと。

国語は分析ーー。ただ正解の選択肢を把握するのではなく、そこに至るまでの思考を読み解く姿勢こそが、本当の国語力を育てるのです。

7.SS-1の学習カウンセリングのご案内

もし「どのように振り返りを進めればよいかわからない」「自宅での分析のサポートが難しい」と感じられた場合は、SS-1の学習カウンセリングをご活用ください。お子さまのテストの取り組み方や読解の傾向を講師が丁寧に分析し、今後の勉強方法・家庭でのサポートの仕方まで具体的にアドバイスいたします。

テストや過去問を"量"ではなく"質"で生かすためには、 一人ひとりの読み方の癖を見極めることが欠かせません。国語の伸びは、「読解の再現性」をどこまで高められるかで決まります。

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この相談に答えた講師
田畠 靖大(Tabata Yasuhiro)
中学受験専門のプロ個別指導教室SS-1(エスエスワン)国語科講師。関東にあるSS-1白金台教室、渋谷教室、お茶の水教室や、オンライン教室でも全国の生徒さんを指導しており、毎年難関中学に送り出しています。担当教科は国語・算数。論理性を重視しながらも、ソフトな語り口でお子様の課題解決に取り組みます。テストでの得点向上のみならず、科目の根本理解、体系理解を実現、得意科目に仕上げていきます。

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