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【中学受験】国語の線の引き方【論説文】

最終更新
カテゴリー:国語の勉強法
【中学受験】国語の線の引き方【論説文】

問題用紙が「綺麗なまま」返ってくる、線を引くように伝えてもなかなか定着しない――こうした状況は多くのご家庭に共通しています。今回は、そのようなお悩みを持つご家庭に向けて、「論説文の線引き」に焦点を当て、線引きが実際に「得点に結びつく読み」に変わるまでの過程と方法を、流れに沿って丁寧にお伝えします。

なぜ線引きが必要なのか

ほとんどの生徒は、線引きの「意義」を理解していません。単に時間がかかる行為だと思っているか、言われたから漫然と行っているかのどちらかです。

ゆえに、子どもたちに線引きを「正しく、効果的に」実践してもらうためには、まず「なぜ線引きが必要なのか」という根本的な考え方を伝えていく必要があります。

線引きには、大きく分けて二つの効果があります。

  • 時間短縮
  • 正答率向上

これら二つの効果は密接に結びついており、子どもたちは線引きを実践する中で、その両方を同時に実感し、習得していきます。具体的にどのようなことなのか、以下で詳しく説明します。

線引きの効果について

国語の文章は通常「縦」に読み進めます。つまり、上から下へと目線を動かしながら、とりあえず最後まで読むわけです。

しかし、文章を「縦」に読むだけでは、ただの読書と同じです。そこに「読解」の技術は介入しておらず、読むことが直接的に問題を解くことにつながっていないのです。

しかし、ここに線引きを加えることで、「横」のつながり――すなわち、傍線部と自分の引いた線、あるいは線と線のあいだにどのような関係があるか――が見えてきます。

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たとえば、傍線部①に「それは私にとって大切なものだった」と書かれていたとします。

線引きをしていない生徒には、これをスルーして「問題文を最後まで読むまで思考を挟まない」ケースが多いです。

しかし、線引きが本質的にわかっている生徒の場合、「それ」が指している言葉や「大切なもの」と書かれているものがどこにあるかを線引き同士をつなげながら探すような視点を持ちます。

すると、問題を解く前から、「『それは』というのはハンカチのことね。『大切なもの』というのはお父さんが戦争に行く前にくれた形見ということね」というような形で、引いた線同士を「横」に見て、答えを探す意識が身につくのです。

それをもとに問題を解くことで、「もう一度読み返す時間」が短縮され、簡単に選択肢を選ぶことができます。

さらに分かりやすく理解していただくために、以下に例文を用意しました。お子さんと一緒に読んでみてください。

【例文】
 私たちはときに「学ぶこと」とは「早く正解にたどり着くこと」だと誤解します。しかし実際には、思いどおりにいかない局面で立ち止まり、見える範囲を少しずつ広げていく時間が不可欠です。近道ばかりを選べば、見える景色は変わりません。学びとは、遠回りによって視野が広がっていく、その時間の中にあるのです。

 たとえば「料理を学ぶ」ことについて考えてみましょう。仮に、今日の夕食が不評で家族の箸が進まないとします。そこで、料理を丸ごと変えて家族の好き嫌いに合わせてはいけません。手っ取り早く正解を見つけようとするのではなく、塩をわずかに控えて香りを足す、といった小さな一手間を試したり、盛りつけの量や見た目を入れ替えたりして、食べた人の反応を確かめてみましょう。こうした試行錯誤をすることによって、「この子は味の濃さが重要なんだ」「この子は見た目を重視しているのね」といった違いが少しずつ見えてくるのです。

 つまり、学びとは、答えを急がず、試行錯誤を重ねることで、扱う観点や情報の幅が増えていく過程そのものなのです。

 【設問】
傍線部①について、「遠回りによって視野が広がっていく、その時間の中にある」とありますが、どういうことですか。五十字前後で答えなさい。

設問が「どういうこと」と尋ねているため、「遠回りによって視野が広がっていく」という言葉の「言いかえ」を答える形式だとわかります。

ここで事前に線を引き、線同士を横で見ておけば、設問を読んだ時点で答えが手元にある状態を作れます。

答えを見る前に、線引きの例を見てみましょう。

【例文】
 私たちはときに「学ぶこと」とは「早く正解にたどり着くこと」だと誤解します。しかし実際には、思いどおりにいかない局面で立ち止まり、見える範囲を少しずつ広げていく時間が不可欠です。近道ばかりを選べば、見える景色は変わりません。学びとは、遠回りによって視野が広がっていく、その時間の中にあるのです。

 たとえば「料理を学ぶ」ことについて考えてみましょう。仮に、今日の夕食が不評で家族の箸が進まないとします。そこで、料理を丸ごと変えて家族の好き嫌いに合わせてはいけません。手っ取り早く正解を見つけようとするのではなく、塩をわずかに控えて香りを足す、といった小さな一手間を試したり、盛りつけの量や見た目を入れ替えたりして、食べた人の反応を確かめてみましょう。こうした試行錯誤をすることによって、「この子は味の濃さが重要なんだ」「この子は見た目を重視しているのね」といった違いが少しずつ見えてくるのです。

 つまり、学びとは、答えを急がず、試行錯誤を重ねることで、扱う観点や情報の幅が増えていく過程そのものなのです

このような形で「つまり」でまとめられている段落に正しく線が引けていれば、ここが答えに直結することがわかります。

【答え】
学びとは、答えを急がず、試行錯誤を重ねることで、扱う観点や情報の幅が増えていく過程そのものだということ。

線引きを効果とともに正しく認識できていれば、文章を読みながら答えを「即答」できるようにもなるでしょう。

線が引かれた文章の「関係」を捉える

先ほど、傍線部が引かれた文章と、線を引いた箇所が「言いかえ」になっているとお伝えいたしました。このように、線を引いた箇所(「傍線部」として問題なっている場合も含む)を「横」のつながりで見てみると、その関係はいくつかのパターンに分けられます。今回は、その「関係の種類」についても言及します。

①言いかえ

 線と線が「言いかえ」の関係になっているもの、つまり同じ意味を別の言い方で述べているものです。傍線部など、該当箇所が直接問題として出題されている場合「どういうこと」「どのようなこと」と問う設問が該当します。

言いかえ同士を見つけて線で結び、そのまま答えに移れる状態を作ります。言い回しは変わっていても、指している内容が同じであることを意識して読みます。

②対比

 線と線が「対比」の関係になっているもの、つまり同じ観点で違いを示しているものです。傍線部など、該当箇所が直接問題として出題されている場合「AとBのちがい」「〜に対して~は」などの問われ方がこれに当たります。

観点をそろえて二つを並べると、筆者の立場や強調点がはっきりします。片方だけを強く押し出す文に引っ張られず、同じ土俵で比べる姿勢が大切です。

③並列

 線と線が「並列」の関係になっているもの、つまり同じ立場・同じレベルの内容が横に並んでいるものです。傍線部など、該当箇所が直接問題として出題されている場合「二つ挙げよ」「すべて選べ」といった設問が現れます。

並んだ要素は形式をそろえ、指定数と本文の順序を守って拾います。粒の大きさをそろえるだけで、取り違えを大きく減らせます。

④因果

 線と線が「因果」の関係になっているもの、つまり理由(原因)と結果のつながりです。傍線部など、該当箇所が直接問題として出題されている場合「なぜ」「その結果どうなったか」と問われる設問が該当します。

原因から結果への向きを意識し、求められている側だけを簡潔に取り出します。接続語が見当たらない場合でも、内容の必然的なつながりがあれば因果として読み取ります。

線引きをしてもらうためには

正しい線引きの考え方が腹に落ちたら、次はその行動を習慣に変えていく段階です。

「時間がかかる」という先入観をなくす

まず、子どもたちは「線引き」を「時間のかかるものだ」と思っているので、実はそうではないのだということを実感させてあげる必要があります。そのためには「読む時間よりも解く時間のほうが長くなる」という現実を、具体的な数字で示すことが効果的です。

線引きをせずに読んだ場合の「本文を読む時間」と「設問を解く時間」をそれぞれ計測し、平均を出します。

次に、線引きをしながら読んだ場合の同じ二つの時間を計測して比較します。多くのケースで、読む時間はわずかに増えても、設問を解く時間ははっきりと短縮されます。

この時間の差が可視化されることで、線引きの効果が具体的に理解され、子どもたちの行動が変化するでしょう。数字としての変化を実感することで、次回も自ら同じ手順を踏むようになります。

「横」のつながりは「一つずつ」「順番に」意識させる

次に、テストや演習の冒頭で「今日はどの『横』を意識して引くか」を一言で決めてから本文に入りましょう。

たとえば、ある日は「言いかえ」に集中し、別の日は「因果」に集中するといった具合です。たしかに、テストでは「言いかえ」「対比」「並列」「因果」すべての問題が出てきてしまうのですが、一気にすべてのつながり方について身につけようとするのはなかなか現実的ではありません。

つながりに関しては「一種類ずつ」鍛えることで定着が早まります。

さいごに―SS-1学習カウンセリングのご案内

SS-1の学習カウンセリングでは、お子さまの実際の答案やノートを拝見し、その場で線引きについてのフィードバックと、どのようにすれば線引きができるようになるかを、生徒一人ひとりに合わせて詳しくお伝えいたします。

ご家庭での学習サイクルや勉強の取捨選択についてもアドバイスしておりますので、この機会にぜひ学習カウンセリングをご利用ください。

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この相談に答えた講師
田畠 靖大(Tabata Yasuhiro)
中学受験専門のプロ個別指導教室SS-1(エスエスワン)国語科講師。関東にあるSS-1白金台教室、渋谷教室、お茶の水教室や、オンライン教室でも全国の生徒さんを指導しており、毎年難関中学に送り出しています。担当教科は国語・算数。論理性を重視しながらも、ソフトな語り口でお子様の課題解決に取り組みます。テストでの得点向上のみならず、科目の根本理解、体系理解を実現、得意科目に仕上げていきます。

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