模試や過去問を見返すと、記述だけが空欄のまま残る。時間は使っているのに、いざ書く段になると手が止まる。 こうした現象は、最近の生徒によく起こ...
みなさんこんにちは。
中学受験個別指導塾SS-1講師の田畠です。
今回は「文章が読めない子どもたち」に焦点を当てて、その解決策を考えていきます。
うちの子はそもそも文章が読めてない気がするのよね・・・
このように感じているご家庭はぜひご覧ください。
「3、4年生くらいまでは普通に読めていたのに、最近文章が読めなくなった」
「学校の文章なら問題なく読めているのに、塾の問題になると読めなくなる」
このような状態のお子さんが多いのではないでしょうか。
一般的に「学年が上がって塾の教材が難しくなったから」と思われがちですが、実は違います。
子どもたちは、「戦略的に」理解しないで読むことを「選択」しているのです。
どういうことなのか説明いたします。
まず、低学年と高学年の環境を比較して子どもたちの置かれている状況を整理してみましょう。
| お子さんの状況 | 低学年 | 高学年 |
|---|---|---|
| 文章を読む頻度 | 1題程度/週 | 4~6題/週 |
| 問題として使われる素材文 | 小学生向けにあえて簡単な言葉で書かれた読みやすい文章 | 入試向けに選ばれた「悪文」と呼ばれる読みにくい文章 |
| 興味・関心 | テーマが絞られていて興味を持ちやすい | テーマが多岐に渡り興味の有無がはっきりする |
| 文章を読むペース | 問題演習として音読させたり、十分な時間をとったりして読むことに専念させる | 本番対策として、普通に読んでいては間に合わない時間で解かせる |
大人の状況に置き換えると、興味のないジャンルの本を明日までに読んでレポートにまとめてこい、と言われているような状態でしょうか。
しかも他の同僚が休みの日に......。少なくとも憂鬱な気分にはなりそうです。
しかし、子どもは健気なので、このような状態でも、何とか環境に適応しようと努力します。
努力した結果、以下のようなことが起こります。
まずは子どもの視点に立ってみましょう。
たとえば、次の文章に線が引かれていたとします。
「科学とは自然の事物、事象について観察、実験等の手法によって原理、法則を見いだす」
さて、この部分について何を問われていると思いますか?
① 「科学とは~見いだす」とありますが、これはどういうことですか。
② 「科学とは~見いだす」とありますが、これはなぜですか。
おそらく、ほとんどの子どもが①と答えるのですが、正解が何であるかは重要ではありません。
これを「予測する」ことが普通になってしまい、設問を読まなくなってしまうことが問題なのです。
「おそらく◯◯が問われているんだろう」は往々にして裏切られるので、しっかりと設問を読んで問われていることを確認することが大切です。
それでは、またまた子どもの視点に立って考えてみましょう。
次の文章を「10秒」で読んで以下の問いに答えてみてください。
存在と無の狭間に漂う形而上学的な実体は、人間の認識の限界を超越しつつも、時間と空間の相対性の中で自己の同一性を模索する過程において、偶発的な意識の閃光が内在する普遍的な真理を一瞬のうちに啓示するが、その真理は不可視のイデア界において形而上的な規範に従うものであり、感覚的知覚によって捉えられることなく、永遠の謎として哲学的探求の対象となり続けるのである。
問、筆者の言いたいことは次のどちらですか。
ア 形而上学的な実態は哲学的探求の対象となる。
イ 人の理解を超えた真理は永遠に未解明である。
さて、文章の意味は頭に入ってきたでしょうか。
10秒という時間の中で文章を読んで問題まで理解するのは至難の業ですね。
また、選択肢は「ア」を選びたくなるのではないでしょうか。
内容がいまいち理解できていない状態で、文章中の言葉が書かれた選択肢を見ると吸い寄せられるようにしてその選択肢を選んでしまいます。
子どもによっては、選択肢を解くことが目的となっているケースも多く存在します。
文章を理解せずに読み進めて、文章中に書いてあった言葉だけを頼りに選択肢を選ぼうとしてしまうのです。
さて、短時間で難解な文章を読まされる子どもたちが、いかにして文章を読まなくなってしまうのかがわかっていただけたのではないかと思います。
それでは次に解決策を考えていきましょう。
3つの方法を使って文章が読めなくなってしまった状態を改善していきましょう。
ただし、子ども一人一人によって改善のアプローチ方法は異なるので、お子さんのご様子を分析しながらよりよい方法でお伝えいただければと思います。
学年が上がってだんだんと使われる語彙が難しくなり、それに比例して文章が読めなくなっていった可能性が考えられます。
以下の文章を読んでわからない単語が10個以上あったら語彙力不足です。
科学の発展は、我々の生活に革新をもたらしてきました。例えば、インターネットの普及は情報の浸透を加速させ、世界中の人々が簡単に繋がることを可能にしました。また、医療技術の進歩により、多くの病気が治療可能となり、平均寿命も延びています。しかし、科学の進歩には必ずしも肯定的な側面ばかりではありません。
科学の追求は時に倫理的な問題を引き起こします。例えば、遺伝子編集技術は真摯な議論を必要とします。科学者たちは人間の遺伝子を操作することで、病気を予防したり治療したりすることが可能になりましたが、その一方で、これが普遍的な倫理観に反するのではないかという懸念もあります。
科学研究の過程は非常に精緻であり、多くのデータを収集し分析する必要があります。この過程で、研究者たちは鋭敏な感覚を持ち、正確な測定を行わなければなりません。しかし、科学界においては、時に意見の対立や軋轢が生じることもあります。
科学技術の進展はまた、社会の煩雑さを増すこともあります。新しい技術の導入により、従来の仕事が不要になり、人々は新しいスキルを習得する必要に迫られます。これに伴い、職業の淘汰が進むこともあります。
科学の恩恵を享受する一方で、その影響を冷静に評価し、適切な措置を講じることが求められます。科学の進歩がもたらす利益と、それに伴うリスクを均衡させるためには、我々は常に革新と倫理のバランスを考慮しなければなりません。
言葉としては知らなくても、意味内容から意味が推測できる場合は問題ありません。
語彙力が足りない場合は市販の語彙力テキストを用いて学習することをおすすめいたします。
おすすめのテキストはお子さんの学習タイプによって異なるので、ぜひ一度SS-1の無料学習カウンセリングにいらしてください。
すべての文章を読ませるのではなく、一文だけに注目して読ませる訓練を行います。
以下の通りに実践してみてください。
一文だけ読ませてすぐに文字を隠す
「何が書いてあった?」と質問する
自分の言葉で答えさせる(文章中の言葉で説明してはいけない)
「えーとね」「たとえばね」という言葉が出てくるか「目線が斜め上」を向くまで1~3を繰り返す
この一連の流れを行うことで、文章の内容を自分の頭で理解し、それを自分の言葉で説明する習慣が身につきます。
「えーとね」「たとえばね」という言葉は、自分の頭の中で内容を理解して、その内容を自分の言葉で説明しようとしているときに出てくる言葉です。
「ただの言葉の言い換え」ではなく「理解したことを説明する」習慣をつけることで、理解して読む感覚が復活します。
設問に線を引いて、何を問われているのかを明確にします。
「~とありますが」の後ろに線を引くようにするとよいでしょう。
線を引くこと自体が目的ではありません。線引きを習慣づけることで、無意識に何を問われているのか読むようにすることが目的です。
ほとんどのお子さんは「~とありますが」の後ろを読んでいません。
この部分に線を引かせることで、強制的に視点を動かす仕組みを作りましょう。
また、線を引くことを極端に嫌がるお子さんがいらっしゃいますが、それはなぜ線を引かなければいけないのかがわからないからです。
線を引かなければいけない理由はここまでに記載したことが起こっているからですね。
これらの方法を実践して「文章が読める」状態を取り戻していきましょう。
今回の記事に共感していただけた方はぜひSS-1の無料学習カウンセリングにいらしてみてください。
さまざまな情報をお伝えできるかと存じます。
それでは、次回の記事でまたお会いしましょう。
国語の成績が上がらないとお悩みでしたら、最寄のSS-1の教室にご相談ください。無料の学習カウンセリングを行わせていただき、お子様に応じたベストアドバイスを差し上げます。
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この相談に答えた講師
田畠 靖大(Tabata Yasuhiro)
中学受験専門のプロ個別指導教室SS-1(エスエスワン)関東副代表・渋谷教室長。関東にあるSS-1渋谷教室を中心に多くの受験生を指導し、毎年難関中学に送り出しています。担当教科は国語・算数。論理性を重視しながらも、ソフトな語り口でお子様の課題解決に取り組みます。テストでの得点向上のみならず、科目の根本理解、体系理解を実現、得意科目に仕上げていきます。
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