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【中学受験算数】仕事算の裏ワザ その2

最終更新
【中学受験算数】仕事算の裏ワザ その2

【中学受験算数】仕事算の裏ワザ その1
【中学受験算数】仕事算の裏ワザ その2
【中学受験算数】仕事算の裏ワザ その3

中学受験算数の必須単元である「仕事算」を根本から理解し、得点源にするための全3回シリーズ。

第1回では、全体の仕事量を「1」と置かずに最小公倍数を使って「宿題のページ数」として仮置きする裏ワザをお伝えしました。第2回となる今回は、入試で頻出する「途中で人が休む」「途中で人が変わる」といった複雑な問題を、パズル感覚でスッキリ解くための「表」を使った裏ワザをご紹介します。

なぜ「途中で人が休む問題」でミスが起きるのか?

仕事算が苦手なお子さんが最もつまずきやすいのが、「AさんとBさんが一緒に働き始めたけれど、途中でAさんが休みました」といった、状況が途中で変化する問題です。

つまずく理由は非常にシンプルで、「Aさんが休み始めた時間がわからない」と混乱してしまうからです。

  • よくある間違った考え方: 「いつAさんが休み始めたのか」という時間の経過に固執してしまい、頭の中が整理できなくなる。
Aさん+Bさん Bさん Aさん+Bさん
  • 正しい考え方: 順番にとらわれず、「Aさんが休んでいた時間」と「AさんとBさんの2人で働いていた時間」という2つの状況に大きく分けて考える。
Aさん+Bさん Bさん

この正しい考え方を身につけるために、次の章で「情報整理の仕方」について学んでいきましょう。

【裏ワザ】頭の中だけで考えず「式の形の表」に直して考える

ここで登場する裏ワザが、文章題の情報を「式の形をした表」に直して整理するという方法です。

第1回で学んだ大原則である 「1日あたりの仕事量 × かかった日数 = 全体の仕事量」 の式を、そのまま表の横の行に当てはめます。「1日あたりの量(1日にできる宿題のページ数)」を出したら、次のようなシンプルな表に書き込んでみましょう。

【仕事算の基本整理表】

1日あたりの仕事量 日数 合計(こなした量)
Aさん
Bさん
}

※一番左の「人」や「状況」の項目は、問題に合わせて自由に変更します。

文章を読みながらこの表の空欄を埋めていくだけで、次に何を計算すべきかが視覚的にパッとわかるようになります。

【基本問題】表を使って「途中で人が変わる問題」を解いてみよう

それでは、実際の基本問題を使って、ステップ形式で表の活用法を見ていきましょう。

【基本問題】 ある仕事を仕上げるのに、Aさん1人では10日、Bさん1人では15日かかります。最初はAさんとBさんの2人で一緒に2日間作業をしましたが、残りはBさん1人で仕上げました。Bさんが1人で作業をしたのは何日間ですか。

ステップ1:第1回の裏ワザで「1日あたりの量」を出す

まずは前回のおさらいです。全体の仕事量を10と15の最小公倍数である「30」とし、「宿題を30ページ終わらせる仕事」と仮置きします 。

  • 全体の仕事量:30ページ
  • Aさんの仕事量:30 ÷ 10 = 3ページ/日
  • Bさんの仕事量:30 ÷ 15 = 2ページ/日

ステップ2:わかっている情報を「表」に書き込む

次に、整理表を作って問題文でわかっている数字を書き込みます。全体の宿題が30ページであることもメモしておきましょう。

1日あたりの仕事量 日数 合計
AさんとBさん 5ページ/日 2日 10ページ
Bさん 2ページ/日 ▢日 ▢ページ
} 30ページ

※AさんとBさんの1日あたりの仕事量は、3 + 2 = 5ページ/日となります。また、上の行は横に計算して「10ページ」まで埋めることができます。

ステップ3:残りの量を出し、日数を逆算する

表を見れば、次にするべき計算が一目でわかります。全体の宿題は30ページで、最初に10ページ終わったので、残りの量は引き算で出せます 。

  • 残りのこなした量:30ページ - 10ページ = 20ページ

これを下の行の「合計」に書き込みます。

1日あたりの仕事量 日数 合計
AさんとBさん 5ページ/日 2日 10ページ
Bさん 2ページ/日 ▢日 20ページ
} 30ページ

最後に、「Bさん」の行を見て日数を逆算します。「2ページ/日 × ▢日 = 20ページ」になればよいので、

  • Bさんが1人でした日数:20ページ ÷ 2ページ/日 = 10日

【答え】10日間

いかがでしょうか。文章のままだとややこしく感じますが、基本の式を並べた表に直すだけで「どこまで計算したか」「次は何を求めるべきか」が絶対に迷子になりません。

【トレーニング】「休む問題」も「つるかめ算」も表で解決!

基本の表の使い方がわかったら、入試によく出る問題に挑戦してみましょう。

【例題1】途中で誰かが「休む」パターン

問題: ある仕事を仕上げるのに、Aさん1人では10日、Bさん1人では15日かかります。この仕事を2人で一緒に始めましたが、途中でAさんが5日間休みました。仕事が終わるまでに全部で何日かかりましたか。

【解説と解き方】

「途中で休む」問題は、「いつ休んだの?」と考えてしまいがちですが、いつ休んでも結果は同じです。重要なのは、「Aさんが休んでいる5日間は、Bさんが1人で仕事を進めている」ということです。これを表に落とし込みます。

1日あたりの仕事量 日数 合計
Bさん 2ページ/日 5日 10ページ
AさんとBさん 5ページ/日 ▢日 20ページ
} 30ページ
  • 2人で一緒に働いた日数:20ページ ÷ 5ページ/日 = 4日

表がすべて埋まりました。「全部で何日かかりましたか」と聞かれているので、日数を合計します。

  • 全部の日数:5日(休みの期間) + 4日(一緒の期間) = 9日

【答え】9日

【例題2】日数の内訳がわからないパターン(つるかめ算の活用)

問題: ある仕事を仕上げるのに、Aさん1人では12日、Bさん1人では20日かかります。最初はAさんが1人で作業をし、途中からBさんが1人で残りの作業をしたところ、ちょうど14日間で仕上がりました。Aさんが作業をしたのは何日間ですか。

【解説と解き方】

全体の仕事量を「12と20の最小公倍数=60ページ」と設定します 。

  • Aさんの仕事量:60 ÷ 12 = 5ページ/日
  • Bさんの仕事量:60 ÷ 20 = 3ページ/日

わかっている情報を表にしてみましょう。

1日あたりの仕事量 日数 合計
Aさん 5ページ/日 ?日 ?ページ
Bさん 3ページ/日 ?日 ?ページ
} 14日
} 60ページ

このように、「それぞれ何日働いたか」も「それぞれ何ページ進めたか」もわからない状態になります 。しかし表にすることで、日数の合計(14日)と全体の量(60ページ)がわかっている「つるかめ算」の形であることに瞬時に気づくことができます。

  • もし14日間すべてAさんだった場合:5ページ/日 × 14日 = 70ページ
  • 実際の60ページとの差:70 - 60 = 10ページのオーバー
  • AさんからBさんに1日交代したときの差:5 - 3 = 2ページ減る
  • 何日交代すればよいか:10ページ ÷ 2ページ/日 = 5日(Bさんの日数)
  • Aさんの日数は:14日 - 5日 = 9日

【答え】9日間

まとめ:仕事算の複雑な問題は「表」が最強の武器になる

第2回では、「式の形の表に直して考える」裏ワザをお伝えしました。

問題文が長くなり、途中で条件が変わると、算数が得意なお子さんでも頭の中だけでは処理しきれなくなります。そんな時こそ、「1日あたりの仕事量 × 日数 = 合計の量」の式を横に並べた表に書き出す習慣をつけてみてください。

表の空欄が一つずつ埋まっていく過程は、パズルを解くような楽しさがあり、お子さんの「解けた!」という成功体験につながりやすくなります。

いよいよ最終回となる第3回では、仕事算の中でも特に難易度が高い「比の値を利用した問題」の攻略法を解説します。お楽しみに!

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この記事を執筆した講師
田畠 靖大(Tabata Yasuhiro)
中学受験専門のプロ個別指導教室SS-1(エスエスワン)関東副代表・渋谷教室長。関東にあるSS-1渋谷教室を中心に多くの受験生を指導し、毎年難関中学に送り出しています。担当教科は国語・算数。論理性を重視しながらも、ソフトな語り口でお子様の課題解決に取り組みます。テストでの得点向上のみならず、科目の根本理解、体系理解を実現、得意科目に仕上げていきます。

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