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【中学受験算数】仕事算の裏ワザ その1
【中学受験算数】仕事算の裏ワザ その2
【中学受験算数】仕事算の裏ワザ その3
中学受験算数の必須単元である「仕事算」。売買算や濃度と並び、「割合と比」の中でも苦手とする生徒の多い単元です。
全3回にわたって、この「仕事算」を根本から理解し、得点源にするためのアプローチを解説していきます。第1回となる今回は、すべての土台となる「1あたり量×いくつ分=合計」という算数の大原則と、複雑な計算を避けてスッキリ解くための「裏ワザ」をお伝えします。いっしょに仕事算への苦手意識をなくしていきましょう。
お子さんが仕事算を苦手とする最大の理由は、「仕事」という目に見えない抽象的なものを扱っているからです。一般的なテキストでは「全体の仕事を『1』として...」と解説されますが、小学生にとってはこの「全体の仕事量が1」という概念がピンとこず、実感が湧かないまま手が止まってしまうケースが非常に多く見られます。
仕事算を攻略するための第一歩は、算数の基本に立ち返り、お子さんにとって「見慣れた形」や「具体的なイメージ」に翻訳してあげることです。
まずは、小学2年生のかけ算で習う基本的な考え方を振り返ってみましょう。
たとえばこれを速さの計算に置き換えても同じです。
算数の文章題の多くは、この「1あたり量×いくつ分=合計(全体量)」というシンプルな構造でできています。実は、一見複雑そうに見える仕事算も、全く同じ構造を持っているのです。
先ほどの構造を、仕事算の言葉に置き換えてみましょう。
つまり、仕事算の最も重要な基本式は以下のようになります。
【仕事算の基本式】 > (1日あたりの仕事量)×(かかった日数)=(全体の仕事量)
この式を常に意識することが、仕事算の複雑な問題を解きほぐすカギとなります。
それでは、実際の基本問題を使って、この考え方をどのように適用するのかを見ていきましょう。
【基本問題】
ある仕事を仕上げるのに、Aさん1人では10日、Bさん1人では15日かかります。この仕事をAさんとBさんの2人で一緒にすると、何日で仕上がりますか。
ここで全体を「1」とすると、Aさんの1日あたりの仕事量は「 1 10 」、Bさんは「 1 15 」となり、分数での計算を強いられます。分数の計算は通分などでミスを誘発しやすく、また「1日の仕事が 1 10 」というのも小学生にはイメージしづらいものです。
そこで使う裏ワザが、計算が「整数」でできるように全体の仕事量を日数の最小公倍数で「仮置き」するというものです。 それでもイメージしづらい場合は、その仕事を「宿題」に置き換えて考えてみるとさらにわかりやすくなります。
自分で計算しやすく、イメージしやすいように勝手に決めてしまうのが、早く正確に解くためのコツです。
「1日あたりの仕事量」を計算しやすい整数にするためには、「全体の仕事量」を10日でも15日でも割り切れる数にすればよいのです。つまり、10と15の最小公倍数である「30」を全体の仕事量と仮置きします。
「宿題を30ページ終わらせる仕事」のように具体的にイメージさせると、お子さんの理解はさらに深まります。
基本式 (全体の仕事量)÷(かかった日数)=(1日あたりの仕事量) を使って、AさんとBさんそれぞれの能力(1あたり量)を出します。単位も意識して書いてみましょう。
これで、「Aさんは1日に宿題を3ページできる」「Bさんは1日に宿題を2ページできる」という、非常に分かりやすい「1あたり量」を求めることができました。
AさんとBさんが一緒に作業をするということは、2人の「1あたり量」を合わせるということです。
求めるのは「かかった日数」です。基本式 (全体の仕事量)÷(1日あたりの仕事量)=(かかった日数) を使います。
※確認の式: 5ページ/日 × 6日 = 30ページ となり、基本式にぴったり当てはまります。
【答え】6日
基本の考え方と裏ワザがわかったら、次は実際に手を動かして類題に挑戦してみましょう。「全体の仕事量を最小公倍数で仮置きする」というアプローチを意識して解いてみてください。
ある仕事を仕上げるのに、Aさん1人では12日、Bさん1人では15日、Cさん1人では20日かかります。この仕事を3人で一緒にすると、何日で仕上がりますか。
【解説】 登場人物が3人に増えても、裏ワザの使い方は全く同じです。
12と15と20の最小公倍数を求めます。少し数が大きいですが、最小公倍数は「60」です。全体の仕事量を「宿題が60ページある」と設定しましょう。
3人の「1あたり量」をすべて足し合わせます。
【答え】5日
ある仕事を仕上げるのに、AさんとBさんの2人で一緒にすると6日かかります。同じ仕事をAさん1人ですると10日かかります。この仕事をBさん1人ですると、何日かかりますか。
【解説】 少しひねった問題に見えますが、これも「全体の仕事量を最小公倍数で仮置きする」裏ワザで簡単に解けます。
6と10の最小公倍数である「30」を全体の仕事量と設定します。
今回は、「2人一緒の場合」と「Aさん1人の場合」の1あたり量を出します。
ここがポイントです。2人合わせた仕事量が「5ページ/日」で、Aさんだけの仕事量が「3ページ/日」なのですから、Bさんだけの仕事量は引き算で求められます。
Bさんが1人で仕事をする場合の日数を求めます。
【答え】15日
仕事算は、決して特別な計算をしているわけではありません。「1あたり量×いくつ分=全体の量」という算数の根本的な考え方を、仕事という場面に当てはめているだけなのです。
全体の仕事量を「1」と置いて分数の計算でつまずいてしまうお子さんには、今回ご紹介した「最小公倍数を使って全体の仕事量を仮置きする」ことと、「仕事量を宿題として考える」ことの2つの裏ワザをぜひ試してみてください。「1あたり量」が整数になり、身近な宿題に置き換わるだけで、頭の中がすっきりと整理され、問題の構造が驚くほど見えやすくなるはずです。
「解説を読めばわかるけれど、いざテストになると手が止まってしまう」 「算数の特定の単元だけ、どうしても苦手意識が抜けない」 そんなお悩みはありませんか?
中学受験の算数は、一度つまずいたポイントをそのままにしておくと、その後の応用問題で大きく点数を落とす原因になってしまいます。
当塾では、現在無料の学習カウンセリングを実施しております。 お子様の現在の学習状況やテストの答案を拝見し、
などを、プロの視点からアドバイスさせていただきます。「仕事算を克服したい」「算数全体の成績を底上げしたい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。

この相談に答えた講師
田畠 靖大(Tabata Yasuhiro)
中学受験専門のプロ個別指導教室SS-1(エスエスワン)関東副代表・渋谷教室長。関東にあるSS-1渋谷教室を中心に多くの受験生を指導し、毎年難関中学に送り出しています。担当教科は国語・算数。論理性を重視しながらも、ソフトな語り口でお子様の課題解決に取り組みます。テストでの得点向上のみならず、科目の根本理解、体系理解を実現、得意科目に仕上げていきます。
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