【中学受験算数】速さの問題はどこでつまずく?
皆さんこんにちは。
SS-1算数講師の日野です。
四谷大塚の予習シリーズでは、5年生の6月に「旅人算」を学習します。旅人算だけではありませんが、「速さ」に関連する分野の入試での出題頻度は非常に高く、5年生前半の最重要単元の一つと言っても良いでしょう。
では、この「旅人算」のどこで躓きやすいのか、今回は算数が得意な生徒が陥りやすいところを挙げてみたいと思います。
①頭の中だけで解こうとして間違える
これは旅人算に限らず、算数全般に起こる「あるある」です。図を書かない理由は
・単純にめんどくさい
・書かないで解く方がスピードが早いから有利だと思っている
・書かないで頭の中で解く方がカッコいい、すごいと思っている
・書かなくても解けるので、必要性を感じない
など、さまざまあると思います。個人的には、図を書く「必要性」を感じてもらうところが最も大切だと思っているのですが、それを阻害している要因の一つは、「書き方を知らない(正しく習っていない)」ことにあると思っています。
②図を書こうとするが、その図に何かしらの不備があるために間違える
そこで②につながるのですが、例えば以下のような問題があったとします。
問:P地とQ地は2.6㎞はなれています。太郎君はP地点を、次郎君はQ地点を同時に出発して、それぞれ一定の速さでPQ間を往復します。太郎君は出発してから20分後に次郎君とはじめてすれちがい、その後Q地点を折り返してからP地点まで残り1㎞の地点で2回目に次郎君とすれちがいました。
これについて、お子様が次のような図を書いていたとします。
上記のような図を書いていた場合、仮に現時点では問題が解けていたとしても6年で問題が複雑になってくると解けたり解けなかったり、不安定になる可能性が高いです。
例1はそもそも、文中の2人の動きが図から正確に判断できません。まずは、図の中で文章中の2人の動きを正確に表されていなければなりません。
例2は太郎と次郎の動きが図からきちんと判断できます。では、それで十分かというと、例2にも不十分な点があります。それは与えられた条件をきちんと図の中に書き込み切れていない点です(PQ間の距離の2.6㎞や次郎君が太郎に1回目に出会うまでの20分が書かれていません)。
5年生段階ではそこまで与えられる条件が多くないため覚えていられるかもしれませんが、どんどん条件が複雑になると、さすがに全部覚えられなくなる問題も多くなります。そうなると、解くための条件が不足している状態で問題に挑むため、当然解けるわけがありません。
たまたま条件を覚えていれば解ける、覚えていなければ解けないという不安定な取り組みになりがちです。
では、なぜ子どもたちが書く図が不完全になりがちなのか、それは「書き方をきちんと習っていないから」という理由が大きいです。
塾の授業では、すでに先生が前に「完成された図」を書いていて、そこから解説がスタートすることが多いです。図を書く際のポイントをきちんと教えてくれない(そこまで時間がない)ことも多いため、自分で書くとなるとどのように書けばよいのかあいまいで、結局不完全な図になりがちです。
不完全な図しか書けない→書いたから解けたという感覚が持てない→図の必要性を感じない
このような負のサイクルに陥るわけです。これでは、図を書く「必要性」を感じるのも難しいです。
1)仮に問題文を読まなくても、書いた図から登場人物の動きが分かる、そのような図になっている。
2)問題文に与えられた条件はすべて図の中に書き込んでいる
まずはこの2点だけでも正確にできるようにしてください。実際に授業していると、解法や知識を知らないから解けないのではなく、「単に条件をすべて書いていないから解けなくなっているんでしょ!」という場面にどれくらい出会うか...。
こういう細かい部分の指導は、大手塾では届きづらい部分でもあります。ご家庭での解決が難しい場合は、プロにご相談ください。
【ご家庭でのチェックポイント】
- まずは以下の2点をチェックしましょう。
1)仮に問題文を読まなくても、書いた図から登場人物の動きが分かる、そのような図になっている。
2)問題文に与えられた条件はすべて図の中に書き込んでいる - 集団塾だと一人ひとりに合わせて丁寧に教える時間が無いことが原因で、正しい書き方を習得できていないことがあります。正しい書き方を分かるまで教えてあげましょう。
夏に向けて算数の成績を何とかしたいとお悩みでしたら、最寄のSS-1の教室にご相談ください。無料の学習カウンセリングを行わせていただき、お子様に応じたベストアドバイスを差し上げます。
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