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【中学受験算数】売買損益算の裏ワザ その2

最終更新
【中学受験算数】売買損益算の裏ワザ その2

【中学受験算数】売買損益算の裏ワザ その1
【中学受験算数】売買損益算の裏ワザ その2
【中学受験算数】売買損益算の裏ワザ その3

前回は「原価」「定価」「売値」といった、小学生にはピンとこない「言葉の壁」の乗り越え方を説明しました。第2回となる今回は、実際のテストで最もよく出る「たくさんの品物を仕入れて売る(多数売り)」問題の攻略法です。

「何個かは定価で売れて、残りは値引きして、さらに何個かは...」と条件が重なると、頭の中が混乱してしまいます。しかし、今回お伝えする「売買算の表」を使えば、どんな複雑な問題もパズルを解くようにスッキリと解けるようになります。

【裏ワザ】すべての問題を「表」で整理する

売買損益の多数売り問題は、以下の「たて・よこ」の表に情報を整理するのが最強の裏ワザです。

① 1個の値段 ② 個数 ③ 合計金額
原価
定価
売値
利益(損益)

問題1つ1つに応じて解き方を変えると、途中でわからなくなる上、覚えるのも大変です。問題を読み解いて、この表に当てはめてみましょう。

売買損益算 多数売りのトレーニング

【例題1】基本の「値引きと利益」

1個120円のペンを50本仕入れました。2割の利益を見込んで定価をつけましたが、30本しか売れなかったため、残りの20本は1個130円で売りました。全体の利益は何円ですか。

解説
まずは文章の情報をすべて表に書き込みます。定価は「120円の2割増し」なので、120円 × 1.2 = 144円 です。それぞれの合計金額も計算して表を埋めます。

1個の値段 個数 合計金額
原価 120円 50本 6000円
定価 144円 30本 4320円
売値 130円 20本 2600円
利益 920円

表が完成したら、全体の利益を計算します。計算方法は2通りあります。

【解き方①:総売り上げから原価の合計を引く】
お店に入ってきたお金(売上高)は、定価の合計金額と売値の合計金額を足したものになります。
4320円 + 2600円 = 6920円

ここから、最初に支払った原価の合計を引くと全体の利益が出ます。
6920円 - 6000円 = 920円

【解き方②:1個あたりの利益から出す】
1個売るごとの利益を計算して、個数をかける方法です。

定価で売れたときの利益:144円 - 120円 = 24円
売値で売れたときの利益:130円 - 120円 = 10円

定価で売れた利益合計(24円 × 30本 = 720円)+ 売値で売れた利益合計(10円 × 20本 = 200円)= 920円

答え:920円

【例題2】「売れ残り」の処理

ある品物を1個500円で60個仕入れました。そのうち5個は傷んでいたので先に捨てました。そのあと、仕入れ値の4割の利益を見込んで定価をつけて売ったところ、15個売れ残りました。売れ残った分は、定価の2割引きで売ったところ、すべて売れました。全体の利益は何円になりましたか。

解説
まずは文章の情報をすべて表に書き込みます。

定価は「500円の4割増し」なので、500円 × 1.4 = 700円 です。
値引き後の売値は「定価の2割引き」なので、700円 × 0.8 = 560円 です。
「傷んでいたので捨てた」分は、「お客さんに0円で売った」と考えて売値の行に書き込みます。

それぞれの個数も整理します。
全体で60個あり、5個捨てて、15個が値引きになったので、定価で売れたのは、
60個 - 5個 - 15個 = 40個 です。

1個の値段 個数 合計金額
原価 500円 60個 30000円
定価 700円 40個 28000円
売値① 560円 15個 8400円
売値② 0円 5個 0円
利益(定価) 200円 40個 8000円
利益(売値①) 60円 15個 900円
損失(売値②) 500円 5個 2500円(損失)

表が完成したら、全体の利益を計算します。

【解き方①:総売り上げから原価を引く】
お店に入ってきたお金(売上高)は、定価と売値の合計金額をすべて足したものになります。
28000円 + 8400円 + 0円 = 36400円

ここから、最初に支払った原価の合計を引くと全体の利益が出ます。
36400円 - 30000円 = 6400円

【解き方②:1個あたりの利益から出す】
1個売るごとの利益(損益)を計算して、個数をかける方法です。

定価で売れたときの利益:700円 - 500円 = 200円
値引きで売れたときの利益:560円 - 500円 = 60円
捨てたときの利益(損失):500円の損

それぞれの利益の合計を足し引きします。
定価の利益合計(200円 × 40個 = 8000円)
値引きの利益合計(60円 × 15個 = 900円)
捨てた分の損失合計(500円 × 5個 = 2500円の損)
8000円 + 900円 - 2500円 = 6400円

答え:6400円

【例題3】「利益の差」から個数を出す(つるかめ算)

1個200円のノートを60冊仕入れ、3割の利益を見込んで定価をつけました。一部は定価で売れましたが、残りは定価の20円引きで売りました。全体の利益が3240円のとき、値引きして売ったのは何冊ですか。

解説
定価は 200円 × 1.3 = 260円 です。値引き後の売値は 260円 - 20円 = 240円 です。

1個の値段 個数 合計金額
原価 200円 60冊 12000円
定価 260円 ?冊 ?円
売値 240円 ?冊 ?円
利益 3240円

定価は260円、売値は240円です。「1個260円のノート」と「1個240円のノート」が合わせて60冊あり、合計売上が15240円(原価12000円+利益3240円)になる。これは典型的なつるかめ算です。

もし、60冊すべてが定価の260円で売れたと仮定します。
260円 × 60冊 = 15600円(予定の売上)

実際の売上高との差は、15600円 - 15240円 = 360円 です。
1冊を定価から値引き価格に変えるごとに、20円(260円-240円)ずつ減ります。
360円減らすためには、360円 ÷ 20円 = 18冊 を値引きで売ったことになります。

答え:18冊

【例題4】「損失」が出るケース

1個1300円の品物を30個仕入れ、いくらかの利益を見込んで定価をつけましたが、売れなかったので定価の2割引きで売ったところ、全体で3000円の損失になりました。この品物1個の定価は何円ですか。

解説
今回は「定価」や「売値」がわからない逆算の問題ですが、これも表を使えば整理できます。まずはわかっている情報を表に書き込みます。すべて値引きして売れたので、定価で売れた個数は0個です。

1個の値段 個数 合計金額
原価 1300円 30個 39000円
定価 ?円 0個 0円
売値 ?円 30個 ?円
損益 ?円 30個 3000円

表の「?」を埋めていくために、2つの解き方でアプローチしてみましょう。

【解き方①:総売り上げから逆算する王道】
全体の合計金額(右端の列)から計算していく方法です。

原価の合計は 1300円 × 30個 = 39000円 です。
全体で3000円の損失(マイナス)が出たということは、お店に入ってきたお金(売上高)は、原価よりも3000円少なかったということです。

39000円 - 3000円 = 36000円(売値の合計金額)
36000円で30個売れたので、1個の売値は、
36000円 ÷ 30個 = 1200円 です。

この売値1200円は、「定価の2割引き(1-0.2=0.8倍)」の値段なので、定価は逆算して求めます。
1200円 ÷ 0.8 = 1500円

【解き方②:1個あたりの損益から出す裏ワザ】
表の一番下の行(損益)に注目し、ケタの小さな計算で一気に解く方法です。

全体で3000円の損失が出て、30個売ったのだから、1個売るごとの損失を計算します。
3000円 ÷ 30個 = 100円(1個あたり100円の損失)

1個1300円の原価の品物を売って100円損したのだから、売値は、
1300円 - 100円 = 1200円 です。

あとは同じように定価を逆算します。
1200円 ÷ 0.8 = 1500円

答え:1500円

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この記事を執筆した講師
田畠 靖大(Tabata Yasuhiro)
中学受験専門のプロ個別指導教室SS-1(エスエスワン)関東副代表・渋谷教室長。関東にあるSS-1渋谷教室を中心に多くの受験生を指導し、毎年難関中学に送り出しています。担当教科は国語・算数。論理性を重視しながらも、ソフトな語り口でお子様の課題解決に取り組みます。テストでの得点向上のみならず、科目の根本理解、体系理解を実現、得意科目に仕上げていきます。

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