日能研からサピックスへの転塾を迷うご家庭向けに、5年・6年の時期別リスク、カリキュラム差、入室後の家庭学習、転塾しない選択を解説。答案や生活リズムで判断するポイントも紹介します。

こんにちは、日能研の横浜校に通っています。
4年生からの2年間を振返ってみると、夏期講習はさすがにそれなりの分量があり、良い復習になったと思うのですが、春期講習は回数も少なく、わざわざ塾に行かなくても家で復習できるような内容だったように感じています。
もし6年生の春期講習も同じようなら、受講するのは止めて、個別指導などを利用しながら小5後半の内容をきっちりと復習させた方が良いように思うのですが、6年生の春期講習は5年生までと違って密度が濃くなったりするようなことはあるでしょうか?

この度はご相談いただきましてありがとうございます。
塾が提供してくれるものに対して「引き算の思考」を通すのは不安なものです。
その中で、以前の経験をもとに冷静に講習の必要度を検討されていることに頭が下がります。
原則として日能研の6年生の春期講習は、これまでの講習と同じように既習範囲の「復習」です。かつ、クラスごとに難易度の違いはあるとはいえ、内容も不特定多数の受験生を対象としたものです。
授業1回当たりの情報量は増えますが、これまでの講習会に比べて「質」に大きな変化があるわけではありません。
お子さんをご担当されている先生が、それまでの通常授業で扱いきれなかったところを講習中にカバーしようとされているのであれば注意が必要ですが、特にそういうわけでもないのであれば、ご家庭もしくは個別指導でお子さんの現状に合った学習を進めていくほうが効果的ということはあり得ます。
私がSS-1の講師として保護者の方と本件について検討するときは、お子さんのタイプと家庭で提供可能なサポートの掛け合わせで結論を出すことが多いです。
A:場所に関係なく決められたことをきちんとこなせる子
一般的にこのタイプのお子さんは、講習会を休んで家庭学習を充実させることで力を付けやすいです。
特に今の時点ですでに「補強すべき単元」などがいくつか洗い出せているのであればなおさらです。
お子さんの現状と目的に合った学習プログラムを作り、お子さんへはたらきかけてくれるようなプロがサポートに入れるならば、より大きな成果が期待できます。
B:自習できないわけではないけれどペースが乱れがちな子
勉強しているうちに、だんだんと効率が下がったり、好きな分野(教科)しか勉強しなくなってしまうお子さんですね。
この場合は、適宜手助けする大人が必要になりがちです。
周囲の大人が、どのくらいお子さんの学習フォローに時間をあてられるか、お子さんとの相性、達成可能な学習プラン作りができるかによって、春期講習を受講するか否かを決めることが多いです。
C:常に誰かがついていないと学習が進まない子
お父様もお母様もお忙しい日々を送られているのであれば、この場合は、原則として講習会に参加したほうがよいことが多いです。
親御さんとお子さんとの間で衝突が起きやすいような状態であればなおさらです。
限られたサポートリソースは、講習で学んできた内容をいかに復習・定着させるかに振り切ったほうが結果として得るものが多いかもしれません。
もちろん、他にも様々な要素があります。
塾の友達や先生との関係が勉強に向かうモチベーションになっている場合は、それも考慮したほうがよいでしょう。
もちろん、明らかにそれ自体が目的になってしまっている場合は、あえて家で勉強に向き合う機会を作るという判断もあり得ます。
また、勉強は基本的に「理解」と「記憶(定着)」の両輪で進んでいきますが、家でやる場合、そのどちらかが甘くなる可能性もあります。
「理解」に通じる解説の部分が不足しそうであれば、動画などの代替手段があったほうがよいかもしれません。もちろん、親御さんが教えられるのであればそれに越したことはありません。
反対に「記憶」に通じる部分が甘くなりがちなのであれば、ある程度強制力の伴った確認テストなどのアウトプットの機会を用意する必要があるでしょう。
こういったポイントをある程度クリアにできていれば、お子さんにカスタマイズされた家での勉強の価値は非常に高いものになります。
言うほど簡単なことではないのは承知しておりますが、以上、ご回答とさせていただきます。
わずかでも参考にしていただければ幸いです。

この相談に答えた講師
馬屋原 吉博(Umayahara Yoshihiro)
バラバラだった知識同士がつながりを持ち始め、みるみる立体的になっていく授業は、受験生はもちろん、保護者の方にも楽しんでいただけると好評です。「頭がよくなる謎解き社会ドリル」「CD2枚で古代から現代まで 聞くだけで一気にわかる日本史」「今さら聞けない!政治のキホンが2時間で全部頭に入る」など、中学受験生に役立つ著書も多数執筆しています。
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