どうしても「睡眠時間」が足りません！

ご相談ありがとうございます。

中学受験に関する多くのお悩みがそうであるように、「睡眠時間」に関するお悩みへの解答も本当にお子さんそれぞれです。

何時に寝ればOKとか、何時間寝ればOKといった一律の基準はありません。
8時間睡眠で十分に動けるお子さんもいれば、10時間寝ても足りないお子さんもいます。

時間のやりくりについて考える際に最優先すべきは、やはり「塾の授業を覚醒した状態で受けられるようにすること」です。
授業中の先生と生徒のやり取りが活発なサピックスではなおさらこれが大切になります。

もちろん簡単なことではありません。
私自身も集団塾で教えていたころは、授業が終わった瞬間に元気になる子どもたちに頭を悩ませていました。

本当は学校から帰ってきてから塾に行くまでの間に少しでも休むに越したことはないわけですが、隙間時間になんとか遊ぼうとするお子さんもいますし、先生に叱られるのを恐れて直前に家庭学習を進めようとするお子さんも少なくありません。

一度、昼寝をしてしまうと2時間コースになるため下手に寝かせられないお子さんもいます。

ただ、それでもできるだけ授業を元気に受けられるようにするためのアプローチはあきらめずに続けたほうが良いと思うのです。

多くの中学受験生、特に6年生は、塾や学校の授業をすべて受けたうえで宿題をすべてこなそうとすると、多くの場合睡眠時間が不足する構造になっています。

そのため、まじめなお子さんほど眠い目をこすって勉強する時間も増えます。
見守る側も、心配になると同時に、でもそのくらいやってもらわないと......という気持ちにもなりやすいものです。

ただ、塾の授業を集中して受けられていない＝理解があやしい単元を、眠い目をこすって家で勉強するのは非常に効率が悪いものです。

眠い目をこすって勉強するくらいなら、しっかり寝て、わずかでも元気な状態で塾に行ったほうが結果として成績は向上します。

タスクの「引き算」には勇気がいるものですが、多くのお子さんは、それが必要な環境におかれています。

お子さんが明らかに夜型なのであれば、いわゆる「朝学習」を夜に回す手もあります。
そもそも必ず早朝に勉強しなければいけないという決まりもありません。
朝方に調整するのは6年生の最後、12月頃からでも十分に間に合います。

また、ある程度のゆとりは必要とはいえ、「起きているけれどもダラダラしている」時間が長いと感じられるのであれば、6年の春の時期から、そこに真剣にメスを入れていくほうがよい可能性もあります。

とにかく、お子さんが元気に塾の授業を受けるのに必要な睡眠時間を確保することを前提としたうえで、残りの時間で何をどこまでやるか、学習メニューの量と質を、必要に応じて塾の先生などプロの知恵を借りながら見極め、持続可能な中学受験生活を送られることをおすすめします。

言うほど簡単な話ではないのは十分に承知しておりますが、以上、長年、中学受験生のサポートに携わらせていただいた経験を踏まえてのご回答となります。

がんばりましょう。
サピックスでの成績アップの参考になりましたら幸いです。