塾の課題はこなしていますが、国語の成績があがりません。国語の勉強の仕方を教えてください。

この度はご相談ありがとうございます。

最近は国語への取り組み方を説く市販の書籍も増えてはきましたが、それでも実際に我が子に向き合ったとき、具体的に何をどうしていいか分からないとお悩みの保護者の方は少なくありません。

国語は、それ以外の科目に比べ、普段の勉強とテストとのつながりが見えにくい教科かもしれません。しかし、やるべきことを正しくやっていれば、確実に得点力は上がっていきますし、いったんできるようになれば、テスト毎の出来不出来の波が小さくなるのが国語という科目の特徴です。

以下、国語の成績を上げるために大切な4つのチェックポイントを挙げます。

1：漢字・知識の学習が習慣化されているか？

漢字・語句・語彙に関する学習は国語の学習の基本のキです。

普段のマンスリーテストでも最低40点が漢字・知識に割り振られていますし、長期的に見ると漢字・知識の学習は「語彙力」というかたちで読解問題の正答率に大きな影響を及ぼします。

特に現在のSAPIXでは、デイリー授業の時間のほとんどが読解に割かれているため、実質的に家庭に任されてしまっている漢字・知識の学習の量と質が、SAPIX内部での成績の上下に関わる傾向が強くなっています。

・漢字・コトノハ・言葉ナビなどの学習が習慣化できていること
・漢字の学習にあたっては、文字や熟語の意味を確認し、理解の伴う暗記を進めること

国語力の足腰の強さを決める、非常に重要なポイントです。

2：問題文への適切なマーキングが「できる」か？

次に重要なのが、本文を「読む」力です。
３点目に挙げる「解く」力も重要ですが、ほとんどの場合、勝負は読みの段階でついています。

お子さんが正しく読めているかを確認する方法はいくつかあります。
音読させるのもひとつの手段ですが、いちばん分かりやすいのは「適切なマーキング」方法を学び、習慣化させることです。

線を引きながら読むと時間がかかるからイヤだというお子さんも少なくないですが、マーキング自体に時間がかかる時点でトレーニングが不足していますし、さらに適切なマーキングは解くスピードを上げますので、最終的には時間短縮にもなります。

テスト中に時間がなくなってマーキングどころではない状況になることはあるかもしれません。ただ、そもそも「適切なマーキングができるかどうか」は「文章構造を意識しながら本文を読むことができるかどうか」とほぼイコールですので、非常に重要です。

具体的なマーキング方法の解説はここでは割愛しますが、塾の先生の指導が薄そうな場合は家での研究・思考錯誤を進めることで国語の成績を上げて行けるポイントになります。

3：設問形式別の「解法」を知っているか？

接続語の問題、指示語の問題、記号選択問題など、国語の各設問には一定の「解法」があります。「こう問われたらまずこうする」という、将棋における定石のようなものです。

記述問題も「説明記述」「理由の記述」「心情記述」など、いくつかのパターンがあり、それぞれの基本的な「型」を知り、つかいこなせるようにすることで得点力を上げていくことができます。

お子さんが塾でそういうことを教わっているかどうか、そしてテストで使えているかどうかを確認しましょう。ここも家で取り組むことで成績を上げていきやすいポイントです。

4.テストの受け方は適切か？

上記3つが普段できていても、テストの受け方、特に時間の使い方に課題があると、成績は伸び悩みます。

SAPIXの通常のマンスリーテストの場合、大問1と2の知識問題に合計5分以上かけると、その時点ですでに少し厳しい戦いを強いられます。

また、2つある読解問題のうち、片方に15分未満しかかけられない場合、偏差値50を越えていくのはなかなか困難です。

多くのお子さんにとってすべての問題を時間内に解くのは難しいことが多いため、勇気はいりますが、試験中に「どうしても見つからなさそうな抜き出し」をとばしたり、記述を短めに仕上げるなどして、無理にでも20分程度時間を残して後半の文章にいく必要があります。

このあたりの判断力は、毎月のテストとその振り返りを通じて磨き上げていく力です。

国語の成績が伸び悩んでいる場合、以上の4つのどこかに不備がある場合が多いです。

SAPIXの場合、2と3、特に3のレベルは、月に1回前後の「読解教室」で学んだ内容を、マンスリーの前などに振り返り、実際に使いこなせるようにしていくことで上げていけます。

1と4は家庭学習の質が問われやすい＝周囲との差がつきやすいところです。

お子さんができていないところは見つかったが、実際の対策方法が分からないという場合は、可能であればまずは実際にお子さんを見てくださっている塾の先生に相談してみましょう。

ちなみにこれは宣伝になってしまいますが、SS-1テラスでは、お子様のテストの答案分析を含めた個別の有料カウンセリングも承っています。また、すでにSS-1の個別指導の利用を検討されている場合は、無料の学習カウンセリングも用意しております。

漠然とした不安を、解決可能な課題に変え、お子さんの日々の努力を成績に反映させていきましょう。

このたびはご相談くださいまして、誠にありがとうございました。