日能研の『栄冠への道』は全部やる必要があるのか、終わらないときにどこまで優先すべきかを解説。育成テスト・公開模試の答案を使った選び方、教科別の進め方、親が確認するポイントが分かります。

日能研でAクラスからMクラスに上がり、宿題が難しく家庭学習の時間が足りません。本人はMクラスを続けたいと言っていますが、このままMクラスにいる方がよいでしょうか。

こんにちは。中学受験 個別指導のSS-1です。
クラスアップについては、頑張って勉強してきたことがテストの結果につながったということで、そのこと自体は喜ばしいことです。
本人がMクラスで頑張りたいという前向きな気持ちを持ち、授業にも充実感を感じているのであれば、すぐにAクラスへ戻すのではなく、宿題の難易度と量を調整し、Mクラスで回る学習サイクルをつくることから始めるのがよいでしょう。
ただし、家庭で毎回の授業を最初から教え直している、基本問題やテスト直しまで手が回らない、睡眠時間が削られている場合は、クラス維持を優先するのではなく、塾の先生に課題の範囲やクラスの適性を相談する必要があります。
日能研のMクラスでは、授業で扱う問題や家庭学習で求められる問題の難度が上がります。学習力育成テストも、Aクラスで受けていた問題より応用度の高い問題に取り組むことになるため、クラスアップ前と同じ時間の使い方では宿題が終わらないことがあります。
その結果、これまでうまく回っていた「授業を受ける、宿題をする、テストを受ける、解き直す」という流れが崩れることがあります。クラスアップ直後に必要なのは、勉強時間をむやみに増やすことではなく、Mクラスで優先する問題を決め直すことです。
お子さん自身がMクラスの授業を分かりやすい、面白いと感じているのであれば、その意欲は大切にしたいところです。まずは慣らしの期間を設け、家庭学習の内容を調整しながら、Mクラスに定着できる状態を目指しましょう。
Mクラスの授業や宿題には、クラス上位の生徒を想定した問題も含まれます。そのため、Mクラスに上がったばかりのお子さんにとっては、今すぐ自力で解くにはハードルが高すぎる問題が混ざることがあります。
宿題は「全部終わらせる」ことより、授業で習った考え方を使って自力で解ける問題を増やすことが目的です。難しい問題に長時間止まり、基本問題の復習ができなくなる状態は避けてください。
家庭学習では、次の順に取り組むと整理しやすくなります。
解法の糸口が見つからず止まってしまう問題は、印をつけて塾で質問する候補にします。答えを写して提出することより、どの問題で手が止まったのかを残す方が、その後の指導につながります。
Mクラスに上がった直後は、すべての応用問題を解ける状態を目指すのではなく、基本問題と授業で扱った重要問題を確実に解き直せる状態を先につくります。
扱う問題が変わった以上、Aクラスのときと同じ家庭学習の時間配分は通用しにくくなります。どの科目にどれだけ時間をかけるかを含め、家庭学習全体の学習サイクルを見直しましょう。
まず、授業翌日に行う復習、次の授業までに行う宿題、学習力育成テスト後の解き直しを分けます。宿題を終えることだけで一週間を使い切らず、授業の理解確認とテスト直しの時間を先に確保することが大切です。
特に算数の宿題に時間がかかりすぎる場合は、終了時刻を決めてください。時間になっても解けない問題は保留にし、計算、漢字、理科・社会の知識確認など、毎週続けるべき学習まで削らないようにします。
Mクラスに上がり、本人の意識が高まっている今は、学習のやり方を整える機会でもあります。保護者がすべてを教えるのではなく、「今日はどこまでやるか」「質問する問題はどれか」を一緒に整理する関わり方が適しています。
Mクラスを維持できるかは、1回のテストの点数だけでは判断しにくいものです。次の3点を、数回の授業と家庭学習の中で確認してください。
難しい問題を解けたかより、授業で学んだ内容が翌日も本人の力で再現できるかを見てください。ここが保たれていれば、宿題の範囲を調整しながらMクラスに慣れていける可能性があります。
一方で、次の状態が続く場合は、宿題の削減だけでなく、Aクラスへの変更や一時的な負荷調整も含めて日能研の先生に相談した方がよいでしょう。
Aクラスで基本を立て直すことは、後退とは限りません。クラス名より、理解できる授業と自力で回せる家庭学習を取り戻すことの方が、その後の成績には重要です。
宿題の取捨選択は、家庭だけで決めきれないこともあります。相談するときは「宿題が多いです」と伝えるだけでなく、答案やノートを見せながら、次の点を確認しましょう。
具体的な問題番号、かかった時間、手が止まった理由まで伝えると、塾の先生も課題の範囲を調整しやすくなります。
Mクラスに上がったことを生かすには、難しい問題を増やすことより、本人に必要な問題を選び、授業と家庭学習をつなげることが重要です。本人に意欲があるなら、その気持ちを尊重しながら、まずは宿題の難易度と量、時間配分を見直してみてください。
それでも、どの問題を減らすべきか、Mクラスを維持した方がよいか判断できない場合は、答案、授業ノート、宿題にかかった時間を一緒に確認する必要があります。SS-1では、答案やノートをもとに相談できる無料学習カウンセリングで、お子さんの理解度と志望校を踏まえ、今のクラスで優先する学習を整理しています。

この相談に答えた講師
中学受験 個別指導のSS-1 編集部
中学受験 個別指導のSS-1 編集部です。本コーナーは中学受験を目指すご家庭から実際にご相談いただいた内容をもとに、中学受験専門のプロ講師による学習アドバイスを発信しています。
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