【私立中学の学費を徹底解説】公立中学との違いや学費負担を軽減する方法も紹介!

- 私立中学の学費が高額で不安を感じている
- 学費以外にどんな費用がかかるのか分からない
- 子どもの教育のために最適な選択をしたい
中学受験を考えている方にとって、私立中学の学費は大きな関心事です。しかし、具体的な金額がわからず、不安に感じる方は多いのが現状です。この記事では、私立中学の学費の内訳や地域による違い、公立中学との比較、学費負担を軽減する方法を解説します。
記事を読めば、私立中学の学費の相場がわかります。私立中学の学費は入学金や授業料だけでなく、施設費や設備費なども含まれるのが一般的です。地域や学校によって学費に大きな差があります。正確な情報を把握し、適切な中学を選びましょう。
本記事では、一般的な費用の目安となる情報をご紹介しています。正確な情報につきましては塾や学校・自治体などのホームページで個別にご確認ください。
私立中学の学費の内訳
私立中学の学費の内訳は、以下のとおりです。
- 入学金・授業料
- 施設費・設備費
- その他の費用
入学金・授業料
私立中学の入学金は、一般的に20~100万円程度で、入学時に一度だけ支払います。授業料は毎年必要で、年間60~150万円程度です。私立中学の平均年間学費は約120万円ですが、難関校ほど入学金や授業料が高額になる傾向があります。男子校・女子校と共学校の金額を比較することも重要です。
兄弟姉妹での入学や学年による違い、特待生制度の利用などでも金額は異なります。入学を検討する際は、各学校の具体的な金額を確認することが大切です。
参考文献『令和3年度子供の学習費調査の結果について』(文部科学省)
施設費・設備費
施設費・設備費は、生徒たちの学習環境を整えるために使われます。使われるのは、校舎の維持管理や教室・実験室の設備、運動場・体育館の整備などです。金額は学校によって異なり、年間10~100万円以上まで幅広く設定されています。入学時に一時金を徴収する学校もありますが、多くの場合は毎月の授業料に含まれます。
新校舎の建設や大規模な改修工事が行われる際には、臨時の支払いが必要です。近年は、ICT環境(※1)の整備にかかる費用が増加傾向にあります。タブレット端末の導入やプログラミング教育の環境を整えるために使われます。
※1 ICT環境とは、パソコンやスマートフォン、インターネットなどの情報通信技術(ICT)を使える仕組みや設備のことです。
その他の費用
私立中学の学校生活に必要な費用は、以下のとおりです。
- 制服・体操服代
- 教科書・参考書代
- 修学旅行費
- 部活動費
- 給食費
- 通学費
- 学用品費
- 行事費
学校によって金額が異なるため、入学前に確認しておきましょう。ただし、予想外の出費が発生する場合もあります。学費は、ある程度の余裕を持って準備しておきましょう。
日本全国の私立中学の学費比較
日本の私立中学の学費は都市部ほど高く、地方は低くなる傾向があります。以下の地域の学費について解説します。
- 東京
- 大阪
- その他の主要都市
東京
東京都内の私立中学の年間平均学費は約150万円です。他の地域と比べて高額となり、都市部の高い物価や施設維持費が反映されています。以下の学校では、より学費が高くなる傾向にあります。
- 23区内の学校
- 共学校
- 有名校・難関校
学校によって学費の幅は広く、100~300万円台までさまざまです。中高一貫校の場合、単年度の学費は比較的低めですが、6年間の合計では高額になる場合があります。国立・公立中高一貫校と比較すると、私立中学の学費は2~3倍となることが一般的です。
学費の中で最も高いのは授業料で、次に施設設備費です。入学金は50万円前後が一般的ですが、100万円を超える学校もあります。
参考文献『令和6年度 東京都内私立中学校の学費の状況について』(東京都庁)
大阪
大阪の私立中学の学費は年間約120万円で、入学金は平均50万円です。授業料は月額3万5千~5万円かかり、施設設備費は年間10~30万円程度です。学費は学校によって大きく変わり、一般的には難関校ほど高くなります。女子校の方が男子校より学費が高くなる傾向にあります。
公立中学と比較すると、6年間での学費の差は約600万円です。近年は学費の値上げが増加傾向にあるため、将来の学費上昇も考慮しましょう。制服代や教材費などの費用も必要です。
その他主要都市
東京と大阪を除く主要都市における私立中学の年間学費は、以下のとおりです。
- 札幌:約90万円
- 仙台:約95万円
- 横浜:約130万円
- 名古屋:約120万円
- 京都:約115万円
- 神戸:約110万円
- 広島:約105万円
- 福岡:約100万円
地方都市の私立中学は、首都圏や関西圏と比べて学費が10~20%程度安い傾向にあります。しかし、同じ地域でも学校の特色や偏差値によって学費に大きな差があるため、注意してください。私立中学の学費は家計に大きな影響を与えるため、教育環境や将来の進路なども含めて総合的に判断しましょう。
私立中学と公立中学の学費の違い
私立中学と公立中学の学費の違いについて、以下の点から解説します。
- 学費総額の比較
- 教育内容の違いによる学費の違い
学費総額の比較
私立中学と公立中学の学費総額には大きな差があります。私立中学の3年間の学費総額は約430万円程度になるのに対し、公立中学は約120万円程度です。私立中学の学費総額は公立中学の約3~4倍となり、入学金や施設設備費など初年度の大きな負担が要因です。
私立中学は初年度に100万円以上の入学金がかかることもありますが、公立中学はほぼありません。私立中学は学年が上がるにつれて学費が増加する傾向があり、学校によって学費の差も大きくなります。公立中学では学費の大きな差はないのが特徴です。
参考文献『令和3年度子供の学習費調査の結果について』(文部科学省)
教育内容の違いによる学費の違い
学校の特色や提供するサービスによって、教育内容は大きく変わります。学費が高額な学校ほど、充実した教育内容を提供する傾向にあります。学費の違いに影響を与える要因は、以下のとおりです。
- 少人数制クラス
- 最新の設備や教材
- 専門性の高い教師
- 特色ある課外活動
少人数制クラスを採用している学校では、教師1人当たりの生徒数が少ないため、きめ細かな指導が可能です。しかし、教師の人件費が必要となり、学費が高くなる傾向があります。英語教育に力を入れている学校では、海外研修や留学プログラムに関する費用が学費に含まれる場合もあります。
多くのネイティブスピーカー教師の雇用による人件費も欠かせません。ICT教育の充実や実験・実習設備の整備にも、多額の費用がかかります。最新のコンピューターや科学実験器具を導入している学校では、学費が高くなる傾向があります。
私立中学進学に伴う学費以外の費用
私立中学進学に伴う学費以外の費用は、以下のとおりです。
- 塾代
- 受験料
塾代
大手集団塾の場合、月謝は平均約1~4万円が一般的です。難関私立中学を志望している場合は、より高額になる傾向があります。
参考文献『令和3年度子供の学習費調査の結果について』(文部科学省)
塾代の内訳は、以下のとおりです。
- 月謝
- 教材費
- 模試代
- 夏期講習や冬期講習の費用
学年が上がるにつれて塾代も増加します。地域によって塾代に差があるため、事前に相場を確認しましょう。近年は、オンライン授業の導入により、従来の対面授業よりも比較的安価に質の高い指導を受けられる場合があります。子どもの学習スタイルや家庭の事情に合った塾を選ぶことが大切です。
受験料
受験料は1校当たり2~3万円が一般的ですが、難関校や人気校ではさらに高額になる傾向にあります。複数の学校を受験する場合、総額は10万円を超えるケースも見られます。オンライン出願を利用すると、受験料の節約が可能です。地方の学校では、首都圏や大都市圏の学校と比べて受験料が比較的安くなります。
願書代や受験票用の写真代、2次試験や面接試験の追加受験料などの確認も必要です。多くの場合、受験料の返金はありません。
私立中学の学費負担を軽減する方法
私立中学の学費負担を軽減する方法は、以下のとおりです。
- 奨学金制度
- 学費補助制度
- 特待生制度
- 教育ローン
奨学金制度
奨学金には、給付型と貸与型の2種類があります。給付型奨学金は返済が不要で、成績優秀者向けの特別奨学金なども含まれます。貸与型奨学金は返済が必要ですが、無利子や低金利が特徴です。入学時の一時金支援や学費の一部免除など、独自の奨学金制度を設けている学校もあります。
地方自治体や民間団体が提供する助成金制度も利用できます。奨学金を活用する際は、申請時期や選考基準、継続条件、奨学金の併用可否を確認してください。奨学金に関する情報は、学校説明会やウェブサイトで入手可能です。家計が急変した場合は、学校や自治体などに緊急支援制度について相談しましょう。
学費補助制度
私立中学における主な学費補助制度は、以下のとおりです。
- 国や自治体による就学支援金制度
- 学校独自の学費減免制度
- 兄弟姉妹割引制度
- 家計急変時の学費支援制度
- 成績優秀者向け学費免除制度
制度を利用することで、学費負担を軽減できます。制度の適用条件や申請方法の詳細は、学校や自治体などに問い合わせてください。遠距離通学者向けの補助金制度や、特定の職業の子女向け学費補助、家庭の状況に応じた支援制度などもあります。寄付金を活用した学費サポート制度や分割払い、延納制度なども確認しましょう。
特待生制度
特待生制度は、入学試験の成績上位者を対象とした制度です。学費が全額免除されたり、部分的に減額したりするメリットがあります。特待生に選ばれた場合、一定の成績を維持する必要があります。学校ごとに選考基準や減免額が異なるため、事前に確認しましょう。スポーツや芸術などの特定分野での才能も評価対象です。
制度の詳細は、各学校のウェブサイトや説明会で確認できます。競争率が高く、入学前の申請が必要な場合が多いため、早めの情報収集と対策が欠かせません。
教育ローン
教育ローンは、最長20年の返済期間と、低金利での借入が特徴です。固定金利または変動金利から選べます。借入限度額は一般的に最大で1000万円となり、収入や勤務先、返済能力などにもとづいて審査があります。多くの場合、保証人や担保が必要です。
教育ローンを選ぶ際は、金利の比較や返済期間の設定、繰上返済の可否などの確認が必要です。公的な教育ローン(日本政策金融公庫)と民間金融機関の教育ローンを比較し、十分な返済計画を立ててください。在学中の元金据置期間を設定できるプランもあります。
学費以外の私立中学選びのポイント
私立中学選びでは、学費以外にも重要なポイントがあります。以下の点を考慮しましょう。
- 教育環境
- カリキュラム
- 教育方針
- 進学実績
教育環境
多くの私立中学校では、教育環境が充実しています。主な特徴は以下のとおりです。
- 少人数制クラスや習熟度別クラス編成
- 最新の設備や施設
- 充実した部活動
- 自習室やグループ学習スペース
- キャリア教育の実施
- メンタルヘルスケアの体制
少人数制クラスでは、一人ひとりに丁寧な指導が行き届きやすくなります。図書館や実験室、体育館などが充実し、多様な学習活動のサポートが可能です。ICT環境の整備も進んでおり、多くの学校でタブレットや電子黒板が導入されています。専門性の高い教師が在籍していることも特徴です。
放課後の学習サポートも充実しており、生徒のニーズに合わせた指導が受けられます。
カリキュラム
私立中学のカリキュラムの主な特徴は、以下のとおりです。
- 国際交流プログラム
- ICT教育の導入
- 理数系教育の強化
- 探究学習や課題解決型学習の実施
私立中学では、子どもの学力や興味に合わせた効果的な学習が可能です。芸術・文化活動やスポーツ活動、国際交流プログラムなどに力を入れている学校もあります。中高一貫教育を行う学校では、6年間を通じた計画的なカリキュラムが組まれています。高校受験のストレスを受けずに大学受験の準備が可能です。
学習のサポートとして、土曜日授業や放課後学習、補習や講習会などもあります。
教育方針
多くの私立中学では、生徒一人ひとりの個性を尊重しています。知識を身に付けるだけではなく、思考力や判断力、表現力も大切です。探求心と創造性を育むことで、問題解決能力や柔軟な思考が養われます。異文化理解や国際的な視点を持つことは、グローバル人材の育成につながります。
道徳教育と人格形成のためには文武両道も重要です。地域社会と連携したり、環境教育やウェルビーイング教育を行ったりする学校もあります。
進学実績
進学実績は、私立中学選びの際に重要な基準の一つです。難関大学への高い合格率や、医学部・法学部などの人気学部への進学者数は、学校の教育力を示す指標となります。国公立大学や最難関大学、海外大学への進学実績も確認しましょう。進学実績だけでなく、有名企業や官公庁への就職実績も重要な指標です。
卒業生の進路を確認すると、学校が幅広い教育を提供しているかわかります。大学入試センター試験の平均点や、学校別の大学合格ランキングでの順位も参考になります。過去5年間の進学実績の推移を確認することがおすすめです。
まとめ
私立中学では、入学金や授業料、施設費、設備費などさまざまな費用が必要です。地域によって学費の差があるため、相場を確認してください。私立中学は、公立中学と比べると学費は高くなりますが、多くの場合で教育環境が充実しています。学費以外にも、塾代や受験料などの付随費用も考慮しましょう。
奨学金制度や学費補助制度、特待生制度、教育ローンなどを利用すると学費の負担を軽減できます。私立中学を選ぶ際は、学費だけでなく教育環境やカリキュラム、教育方針などの確認も重要です。私立中学についての理解を深め、子どもと家庭に合った学校を選びましょう。

この相談に答えた講師
中学受験 個別指導のSS-1
中学受験 個別指導のSS-1 編集部です。本コーナーは中学受験を目指すご家庭のお母さん、お父さんから実際に成績や学習に関するお悩みについてご相談いただいた経験をもとに、中学受験専門のプロ講師による学習アドバイスを発信している中学受験ブログです。皆さまの中学受験のお役に立ちましたら幸いです。
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