4年生のテストと5年生のテスト、どこが違うの?
12月も、はや中盤戦ですね。
冬期の講習会ももうすぐ始まります。
中学入試直前期の今、塾の先生たちは6年生の対応に全力で取り組まれています。
関西エリアでは岡山県の一部で入試が始まっていることもあり、この時期は特に大変です。
しかし、冬が大変なのは6年生だけではありません。
受験学年となる現5年生はもちろんですが、現4年生も、うかうかしていられません。
それは「4年生のテストと5年生のテストには大きな違いがある」からです。
先週のメルマガでは主にカリキュラム面から説明をしましたが、今週は公開模試の面から違いをみていきましょう。
まずは大手進学塾である「日能研 公開模試 国語」です。
5年生の国語の公開模試の特徴を一言で表すと次のように言えます。
「『9歳の壁』突破を前提に、読解の抽象度や求める言葉の質量がアップ」
つまり、子供が実感を伴って抽象概念を理解できるようになると言われる「9歳の壁」を意識したテスト作りを心がけているということです。
4年生から5年生へと学年が上がる1月以降のテストに、その傾向は顕著に表れます。
4年生では、
◆ 身近な動植物に関する説明文
◆ 自分と年齢の近い少年少女の冒険や成功を描いた物語文
が読み取れていれば、高得点が取れるような公開模試でした。
しかしこの時期を境に、
◆ 自分が直接経験・体験したことのない世界について、文章から情報や情景を読み取る
◆ 体験から身につけた言葉の知識をテストの問題を解く上で役立てる
という力が求められるようになります。
5年生に入る直前のこの時期から説明文を中心として、
「段落(形式段落~意味段落)の理解が公開模試で大きな意味を持つ」
ようになるのです。
また、「対比」を読み取る力も公開模試に要求されてきます。
キーワードを抜き出していれば得点できた4年生の公開模試とは異なり、虫食い式の抜き出し頼みなどだけの得点力では高得点が難しくなるのです。
この冬休みに行なうトレーニングとして、次のようなものが効果的です。
1. 段落を要約する力
2. 設問が聞いていることを整理させる
3. 答えの意図を話させる声かけ
一方、算数はどうでしょうか?
こちらは大手進学塾である「浜学園 公開学力テスト」からみていきます。
5年生の算数の公開学力テストの特徴を一言で表すと次のように言えます。
「『9歳の壁』突破を前提に、思考力を必要とした問題の質・量がアップ」
国語同様、算数でも
・ 問題文を要約
・ 設問に必要な情報を整理させて解く
そのような問題の割合が増えています。
逆に知っている公式を当てはめるだけで解ける問題や数値のあてはめだけで正解できる問題は減少します。
このことをある年度の公開学力テストで、
◆ 計算問題
◆ 公式や知識などがすぐに適用できる1行問題や難易度の低い小問
◆ 題意を正確に理解して解く思考問題
に分類して出題数を調べてみます。
3月実施 小4 公開学力テスト
◆ 計算問題...7問 28点
◆ 知識問題...12問 48点
◆ 思考問題...6問 24点
この1ヶ月後、学校学年も5年生になった4月では...
4月実施 小5 公開学力テスト
◆ 計算問題...7問 28点
◆ 知識問題...9問 36点
◆ 思考問題...9問 36点
知識問題が3問減り、代わって思考問題が3問増え、公開学力テスト全体の1/3以上を占めています。
ですからこの冬休みに行なうトレーニングとして、次のようなものが効果的です。
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1. 問題の条件を書き出して整理する
2. 設問ごとに必要な条件を選択する
3. 正しい解法に気づいたきっかけを問いかける声かけ
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国語、算数とも4年生と5年生では、テストで求められている力が代わってくるのですね。
幸い冬休みの講習会は期間も時間数も短く、お子さんへの負担が比較的少ない時期です。
このチャンスに次年度の準備を整えておきましょう。
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4年生の冬休みに行うと5年生で役立つ学習
☆ 書かれている内容を整理し、理解する練習
☆ 答えの意図、解き方を見つけたきっかけを話させる声かけ
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