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武蔵中学校の入試傾向と受験対策
武蔵中学校の中学受験 基本情報
武蔵中学校の中学受験 基本情報
- 公式サイト
- https://www.musashi.ed.jp/
- 中学校所在地
- 〒176-8535 東京都練馬区豊玉上1丁目26-1
- 電話番号
- 03-5984-3741
武蔵中学校は、知識を素早く再生するだけではなく、初めて見る題材を読み取り、観察し、考えた過程を自分の言葉や図で表現する力を重視する学校です。2026年度入試でも、国語の長文記述、算数の思考過程を残す解答、理科の実物観察、社会の資料を踏まえた論述という武蔵らしい出題が確認されました。
合格に向けて最も大切なのは、難問を数多く解くことだけではありません。基礎知識を確実に使いながら、「なぜそう考えたのか」を答案に残す練習を、4科目で積み重ねることです。
武蔵中学校の入試傾向と受験対策
2026年度の入試は、男子160名募集、国語100点・算数100点・社会60点・理科60点の4科目、合計320点で実施され、面接はありませんでした。受験者521名に対して合格者は184名、実質倍率は2.8倍、合格最低点は173点でした。
教科別では、合格者平均と受験者全体平均の差が、国語7.2点、算数13.8点、社会4.3点、理科4.7点でした。年度によって難度は変わりますが、2026年度は算数の差が最も大きく、算数で思考過程を示しながら得点を積み上げられたかが合否に強く影響したと考えられます。
一方で、理科・社会は配点や平均点差が小さいから軽視してよいわけではありません。武蔵では4科目とも独特の形式があり、基本問題の取りこぼしや、設問の意図から外れた記述が重なると挽回が難しくなります。
直近の問題から見える主な特徴
- 国語:長い文章を読み、人物の認識や関係性を根拠とともに説明する記述が中心
- 算数:大問4題を1枚ずつ使い、式・図・考え方を残しながら解く構成
- 理科:実験・観察・資料読み取りに加え、実物を扱う「おみやげ問題」
- 社会:一つのテーマを歴史・地理・現代社会へ広げ、資料と本文を使って論述する総合問題
武蔵対策の軸は、4科目を別々の暗記科目・計算科目として扱うのではなく、「情報を集める→整理する→考える→伝える」という共通の型で学ぶことです。
武蔵中学校の入試で求められる力
武蔵高等学校中学校は、入試で求める生徒像として、学ぶ意欲があり、知ることや考えることを楽しみ、積極的に取り組む生徒を掲げています。これは、建学の理念にある「自ら調べ自ら考える力ある人物」とも重なります。
入試で特に求められるのは、次の5つの力です。
- 長い文章や資料から、必要な情報を正確に拾う力
- 条件を図・表・メモに置き換えて整理する力
- 知識を組み合わせ、筋道を立てて結論へ進む力
- 考えた過程を、言葉・式・図で相手に伝える力
- すぐに答えが出なくても、試し、修正し、考え続ける力
武蔵の問題は、難しい知識を知っているだけで解けるものではありません。反対に、基本知識を土台にして、問題文や観察結果から考えを組み立てられれば、途中まででも評価につながる可能性があります。
普段の学習でも、答え合わせだけで終わらせず、「最初に何に注目したか」「どこで方針を変えたか」「どの根拠を使ったか」を説明する習慣をつけることが重要です。
国語の入試傾向と対策
入試傾向
武蔵の国語は、長い文章を深く読み、字数制限を細かく示さない記述で答える形式が中心です。2026年度は長い物語文を題材に、人物の発言や行動の理由、家族の認識の違い、主人公にとっての母親の存在などを説明させる問題が並び、別大問で漢字8問が出題されました。
本文の一部を抜き出すだけでは足りず、離れた箇所の情報を結び付け、人物の置かれた状況や心情の変化を自分の言葉で整理する力が必要です。解答欄が広くても、長く書けばよいわけではなく、設問に対する結論と根拠が対応していることが大切です。
対策
国語の記述は、次の順序で組み立てます。
- 設問が聞いている対象と時点を確認する
- 本文から直接使える根拠を複数拾う
- 根拠どうしの関係を整理する
- 結論を先に決め、必要な説明だけを書く
- 主語・因果関係・対比が伝わるか見直す
日々の読解では、段落ごとの要点、人物関係、出来事による心情変化を短いメモにする練習が有効です。週に1~2題は、書いた答案を第三者に添削してもらい、「根拠不足」「説明の飛躍」「同じ内容の繰り返し」を修正しましょう。
解答欄を埋めること自体を目的にし、本文にない一般論や自分の感想を足すと、問われた内容から離れて失点しやすくなります。漢字は独立した得点源になるため、日々の書き取りも継続してください。
算数の入試傾向と対策
入試傾向
武蔵の算数は、例年、大問4題を1枚ずつ使う独特の構成で、問題用紙の広い余白に式・図・考え方を書き残します。2026年度も4題構成で、割合と利益、図形、信号の周期と速さ、整数条件を満たす買い方、正方形の重なりと移動などが出題されました。
一見すると標準的な単元でも、条件を丁寧に整理し、複数の場合を調べ、途中経過を説明できなければ完答できません。2026年度は合格者平均57.0点に対して受験者平均43.2点で、4科目の中で平均点差が最も大きくなりました。
対策
まず、割合・速さ・数の性質・場合の数・平面図形などの基礎解法を、式の意味まで説明できる状態にします。そのうえで、次の3点を重点的に鍛えます。
- 条件を表・線分図・場合分けに変換する
- 試した結果を順序よく残し、重複や漏れを防ぐ
- 式だけでなく、「何を求めた式か」を短い言葉で補う
普段のノートでも、計算だけを縦に並べるのではなく、図、表、単位、場合分けの見出しを使って、思考の流れが追えるようにしましょう。過去問は、解けたかどうかだけで判定せず、答案のどこまでが伝わるかを確認します。
早い時期から難問ばかりに取り組み、基本計算や典型題の精度を落とすのは危険です。計算ミス、単位の欠落、場合分けの漏れは、記述以前の失点になります。
理科の入試傾向と対策
入試傾向
武蔵の理科は、知識問題だけでなく、実験・観察・グラフ・図を読み、起きている現象を説明する問題が中心です。2026年度は、雨粒や気象レーダーに関する資料を読み取る問題に加え、実物のキッチンペーパーを切ったり、2枚を剥がしたりして、特徴を図と文章で説明する問題が出題されました。
この実物観察問題は、試験後に題材を持ち帰ることから「おみやげ問題」と呼ばれます。特別な知識の有無よりも、目の前のものを丁寧に扱い、違いを見つけ、理由を考え、他者に伝わる形にする力が問われます。
対策
理科の記述は、「観察した事実→そこから考えられること→問いへの結論」の順に書くと安定します。図を求められた場合は、形をきれいに描くことより、接着位置、力の向き、変化した部分など、説明に必要な情報を明示することが大切です。
日常学習では、実験問題を解いた後に、結果だけでなく「条件を変えたらどうなるか」「その結果から何が言えるか」を言葉にしてください。身近な物を観察し、気づいた特徴をスケッチと短文で記録することも、武蔵対策になります。
知っている用語を並べるだけで説明を終えたり、色を聞かれているのに形を説明したりすると、設問の着地点を外して失点します。問いの対象と、観察した事実がつながっているかを見直しましょう。
社会の入試傾向と対策
入試傾向
武蔵の社会は、一つのテーマに関する長い文章と複数の資料を読み、歴史・地理・公民の知識を横断して答える形式が中心です。2026年度は歌舞伎をテーマに、室町・江戸・明治以降の歴史、芝居小屋や地域の位置、外交上の課題、政治運動、インターネット配信による伝統芸能の普及と継承まで問われました。
基本知識を直接答える問題と、本文や地図から理由を説明する問題、現代的な課題について利点と課題の両面を述べる問題が同じ大問に含まれます。知識を持っているだけでなく、テーマの流れに沿って使う力が必要です。
対策
社会の学習では、用語を一問一答で覚えるだけでなく、「いつ・どこで・なぜ・その後どうなったか」をつなげます。歴史は因果関係と時代背景、地理は位置と産業・交通・自然条件、公民は制度の目的と課題まで説明できるようにしましょう。
資料問題では、次の順序が有効です。
- 資料の種類、年代、単位、出典を確認する
- 増減・地域差・位置関係など、客観的に読める事実を書く
- 本文や既習知識と結び付ける
- 設問の条件に合わせて理由や影響をまとめる
時事的な題材は、ニュースの結論を暗記するのではなく、背景、関係者、利点、課題を整理することが大切です。家族でニュースについて話す場合も、「誰にどのような影響があるか」まで考えさせると論述力につながります。
本文や資料を使わず、一般的な意見だけを書くと得点につながりません。記述問題に時間を使いすぎて基本知識問題を落とさないよう、解く順序も過去問で調整してください。
武蔵中学校合格に向けた学習の進め方
- 小学4~5年:基礎知識と「説明する習慣」をつくる
計算・漢字・語句・理社の基本事項を安定させます。正解した問題でも、「どう考えたか」を1~2文で説明させます。読書、観察、ニュースなど、興味を持ったことを自分で調べる経験も大切です。 - 小学6年前半:科目別の武蔵型トレーニングを始める
国語は長文記述、算数は式・図・場合分けを残す答案、理科は実験考察、社会は資料記述を週単位で練習します。添削後は、正解を写すのではなく、何が不足していたかを言葉にしてから書き直します。 - 夏~秋:過去問を1年分ずつ分析して解き直す
本番時間で解いた後、未着手、方針は合っていたが説明不足、知識不足、読み違い、計算ミスなどに分類します。武蔵は形式の特徴が強いため、年度を重ねるほど時間配分と答案の作り方が安定します。 - 直前期:得点の再現性を高める
新しい難問に広げすぎず、頻出分野、過去問の解き直し、記述の型、基本知識の穴を優先します。4科目の開始前に何を確認するか、残り時間で何を見直すかを決め、本番と同じ手順で練習します。
過去問演習の確認項目
- 問いに正面から答えているか
- 本文・資料・条件を根拠として使っているか
- 主語、単位、図のラベルが抜けていないか
- 考え方や場合分けが採点者に追えるか
- 解き直しで同じ誤りを繰り返していないか
武蔵中学校を目指すご家庭へ
武蔵を目指すお子さんには、答えを早く教えることより、自分で気づき、試し、言葉にする時間を確保することが大切です。家庭での声かけも、「正解した?」だけではなく、「どこに注目した?」「別の考え方はある?」「その根拠はどこ?」と、思考の過程に向けてください。
保護者が完成度の高い模範解答を作りすぎると、お子さん自身の言葉が育ちにくくなることがあります。最初は不十分な説明でも、何を伝えようとしたかを認め、不足している根拠を一緒に探す姿勢が有効です。
武蔵対策は記述量が多いため、添削で直される機会も増えます。直された数を失敗と捉えず、「考えが伝わる答案に近づいた」と評価することで、粘り強く書き続ける力につながります。
武蔵中学校の入試で一貫して問われているのは、知識の量だけではなく、自ら調べ、自ら考え、他者に伝える力です。基礎を大切にしながら、日々の学習で考えた過程を残すことが、武蔵合格への最も確かな準備になります。
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