

「本文以外に何かをまとめた文章を与えられ、その文章の空欄に合う内容を
本文中から探すというもの」
です。わかりやすく実際の問題をみてみましょう。
問題

1 二字 2 二字 3 二字 4 四字 5 二字
箒とはただの汚れを取り除くためだけにあるのではなく、1[ ]とその2[ ]が必ず生み出す塵や汚れを3[ ]という動作を通して、4[ ]を変化させ、そこにすがすがしさを感じさせ、一日一日を新たな5[ ]で2[ ]させるための道具である、という思想。
(平成15年度 洛南高附属中学入試問題より)
解説
このパターンの問題でまずしなければならないことは何でしょうか?
「とにかく探す!」ではありません。
実は、与えられた文章が、何についてまとめられたものなのか(説明されたものなのか)を知ることが先決なのです。
ポイント1 「これって何について書かれているの?」
では今回の問題はどうでしょうか?

とあります。つまり、「箒の思想」についてまとめられた文章だったのです。
そしてここでポイント2です。
ポイント2 やみくもに探すのではなく、問題文の文章がまとめている内容に
ついて書かれているところを探せ!
今回なら、「箒の思想」、つまり箒について書かれているところを探せばいいわけですね。
「さあ探すぞ!」と意気込んでいるそこの君!
残念ながら、ここでも一つ注意があります。
ポイント3 本文を読み直す時は前から順に!
です。探す時はあっちこっちに目をやらない、目の前の文に必要なことが書いてあるかどうかを読み取るのに全力を尽くしましょう!
そうすれば、時間ばかりが過ぎて全然見つからないという状況を防げますよ!
それでは、肝心の「『箒の思想』、つまり箒について書かれているところ」を本文から探してみましょう。
すると…6、8、11段落にそれがあるとわかります。ここではその必要な部分だけを抜粋しましょう。
《問題文より6段落目を抜粋》
―箒で掃くことは、たんに汚れを取り除くことはではない。きれいにするだけでもない。ふくことによって磨き上げ、庭には掃き目の跡をつけることによって外界の状態を変えることを通して、自己自身を変身させることである。―
《問題文より8段落目を抜粋》
―しかし、塵、汚れは人間とその生活が不可避に産み出すものであるとしたら、どうだろう。―
《問題文より11段落目を抜粋》
―箒は、また、煩悩の存在でしかありえないわれわれの、日々の新ため=改めの儀式具である。一日を単位に生死を繰り返す人間が、運よく目覚めて生き返った朝、塵をはらい、すがすがしい気分で「よし今日もなんとかがんばって仕事するぞ」と決意する儀式が掃くことである。「汚物の思想」は、この一日一日の繰り返しと積み重ねの螺旋の構造を忘れさせ、生涯をだらしなく伸びた一本の線のように考える不老不死の思想と、汚物排除の思想を蔓延させている。―
では、この部分を問題の空欄補充の文と比べてみましょう。ここで、
ポイント4 必ず空欄の前後を読んで共通語を探そう
です。空欄の前後は宝の山ですよ!しっかり読んで、何の話をしているのか読み取りましょう!
箒とはただの汚れを取り除くためだけにあるのではなく、1[ ]とその2[ ]が必ず生み出す塵や汚れを3[ ]という動作を通して、4[ ]を変化させ、そこにすがすがしさを感じさせ、一日一日を新たな5[ ]で2[ ]させるための道具である、という思想。
今、 で印をつけた部分は、本文と問題の空欄補充の文で共通していることば、または、似た意味のことばです。これを見つけることができればもうこっちのものです!
あとは、共通することばの近くを文意(文章が何を言っているのか、ということ!)を考えながらひたすら探しましょう。
まず…
―箒とはただの汚れを取り除くためだけにあるのではなく、
1[ ]とその2[ ]が必ず生み出す塵や汚れを―
の部分は、1と2の後ろの生み出すという言葉に注目です。この文が言っていることをまとめると、「1と2は必ず塵や汚れを生み出す」となりますが、本文にも産み出すという言葉があります。本文を産み出すの前から読み直すと、
―汚れは人間とその生活が不可避に産み出す―
と書かれています。なんと、先ほどの「」の文章の空欄1,2にぴったり対応しますね。
では次に、この要領でそのあとの部分、
―塵や汚れを3[ ]という動作を通して、4[ ]を変化させ、―
を考えてみましょう。ここでは、4の後ろの変化させという言葉に注目です。
本文には、似た意味の変身させるという言葉があります。
本文を変身させるの前から読むと
―自己自身を変身させる―
という表現があり、これも空欄4にぴったり対応します。そして次は3です。
3の近くには、共通語がありませんので、もう一度問題の空欄補充の文を読んで考えましょう。
すると、3の前に「塵や汚れを」という表現があることがわかります。
つまり、「塵や汚れをどうすると自己自身を変化させるのか」と考えれば良いわけです。
ここで本文にもどると、
―箒で掃くことは、たんに汚れを取り除くことはできない。きれいにする
だけではない。ふくことによって磨き上げ、庭には掃き目の跡をつけることによって外界の状態を変えることを通して、自己自身を変身させることである。―
とあります。この文章の主語と述語の部分だけを抜粋すると、「箒で掃くことが自己自身を変化させること」であると書かれているのがわかります。つまり、
塵や汚れを掃くという動作を通して自己自身を変化させる、のです。
これで、3の答えもわかりましたね。
では、最後は、
―そこにすがすがしさを感じさせ、一日一日を新たな5[ ]で2生活させるための道具である、という思想。―
の5の部分だけですね。
2には先ほど生活という言葉がはいることがわかっています。
ここでもすがすがしさと一日一日という言葉に注目しましょう。
本文で、この表現が出てくる部分は、
― 一日を単位に生死を繰り返す人間が、運よく目覚めて生き返った朝、
塵をはらい、すがすがしい気分で「よし今日もなんとかがんばって仕事するぞ」と決意する儀式が掃くことである。「汚物の思想」は、この一日一日の繰り返しと積み重ねの螺旋の構造を忘れさせ、生涯をだらしなく伸びた一本の線のように考える不老不死の思想と、汚物排除の思想を蔓延させている。―
のところです。ここの部分でも特に注目すべきは、前半の「すがすがしい気分で「よし今日もなんとかがんばって仕事するぞ」と決意する儀式が掃くことである。」という表現です。
なぜならこの部分は、
―すがすがしい気分で決意する儀式が「掃くこと」である。―
と、まとめることができるからです。ということは…
―(箒は)そこにすがすがしさを感じさせ、一日一日を新たな5決意で2生活させるための道具である―
という空欄補充文と対応することがわかります。これで5の答えもわかりました!
では、答えを埋めた状態で空欄補充の文を読んでみると
箒とはただの汚れを取り除くためだけにあるのではなく、1人間とその2生活が必ず生み出す塵や汚れを3掃くという動作を通して、4自己自身を変化させ、そこにすがすがしさを感じさせ、一日一日を新たな5決意で2生活させるための道具である、という思想。
文の意味も通じますね。空欄補充の完成です。
では、最後にポイントの整理をしておきましょう。
ポイント1. 何を問われている問題なのかを理解する。
ポイント2. やみくもに探すのではなく、問題文の文章がまとめている内容について
書かれているところを探す。
ポイント3. 本文を読み直す時は前から順に!
ポイント4. 必ず空欄の前後を読み、共通語を探す!
読んで探してばかりですが、ここを丁寧にすることが今後に大きく影響します!
ぜひ実践してみてくださいね!
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